(※画像はイメージです/PIXTA)

企業で働くサラリーマンにとって、管理職は1つの目標といえます。一般従業員に比べて管理職は高い報酬が支払われ、裁量も増えます。しかし一方で、「管理職には残業代が出ない」といわれることがあります。本記事では株式会社識学の経営コンサルである新村恭平氏が、管理職の残業代について解説します。

【役職別】管理監督者かどうかのチェックポイント

ここでは以下の役職別に、管理監督者かどうかのチェックポイントを解説していきます。

 

・リーダー、係長、課長

・部長

・店長

・一般従業員

 

それぞれ詳しくみていきましょう。

 

リーダー、係長、課長の場合

リーダー、係長、課長という肩書きは、一見すると管理監督者に該当するように思えます。しかし先ほども述べたとおり、職務内容は勤務態様が管理監督者に該当しないケースも十分に考えられます。

 

たとえば、リーダーや課長であるにもかかわらず、多くの意思決定において上司に判断を仰ぐ必要がある場合は管理監督者に該当しないと考えられます。なぜなら、このケースでは「経営者と一体的な立場にある者」とはいえないためです。

 

また、リーダーや課長になったことで給与がむしろ少なくなっている場合や上がっていない場合も、管理監督者に該当しない可能性が高いといえるでしょう。なぜなら「その地位にふさわしい待遇」がなされていないためです。

 

部長の場合

部長は一部門を率いる重要な役職なので、こちらも一見すると管理監督者に該当するように思えます。しかし部長でも、職務内容や勤務態様に注目して、管理監督者かどうかを判断しなければなりません。

 

部長が管理監督者かどうかの決め手は、権限の強さにあります。もし経営層から、一部門の権限のすべてを委譲されている場合は管理監督者に該当するでしょう。たとえば、部門内の労務管理の指揮ができたり、自分自身の労働時間をコントロールできたりする場合は、管理監督者に該当するといえます。

 

ただし一口に部長といっても、役職が与えられただけの場合も珍しくありません。重要な意思決定の際に上司に判断を仰ぐ必要があったり、一般従業員と同様の勤務態様であったりする場合は、管理監督者に該当しないといえます。

 

店長の場合

管理監督者関連の問題が最も多く発生しているのが、飲食店や小売店の店長の領域です。店長自身が管理監督者であることを否定できる要素は、以下が挙げられます

 

・アルバイトを採用できる権限がない

・人事考課に関与できない

・労働時間を管理できない

・長時間労働を余儀なくされている

・マニュアルに従った業務が大半

・基本給の優遇措置がない

・時間単価などでアルバイトの基準以下

 

厚生労働省によれば、以上のうち1つでも当てはまるようであれば、管理監督者を否定できる要素になり得るとのことです。

 

実際、自らが店長であっても、重要な意思決定の多くをエリアマネージャーが担当している場合も多く見受けられます。このような場合、エリアマネージャーが管理監督者であって、店長が管理監督者に該当することはないでしょう。

 

一般従業員の場合

一般従業員だと、流石に管理監督者に該当しないように思えるかもしれません。しかし管理監督者は役職ではなく職務内容や賃金で判断されます。そのため、場合によっては一般従業員でも管理監督者に該当する可能性があるのです。

 

経営者と一体となって職務をまっとうし、ふさわしい待遇が支払われ、勤務時間に制限がない場合、たとえ一般従業員であっても管理監督者に該当すると考えられます。このようなケースは、それなりの規模の企業では見られないかもしれません。

 

一方、少数精鋭だったり、スタートアップであったりする場合は、一般従業員でも管理監督者に該当する可能性があります。

 

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