(※画像はイメージです/PIXTA)

企業で働くサラリーマンにとって、管理職は1つの目標といえます。一般従業員に比べて管理職は高い報酬が支払われ、裁量も増えます。しかし一方で、「管理職には残業代が出ない」といわれることがあります。本記事では株式会社識学の経営コンサルである新村恭平氏が、管理職の残業代について解説します。

残業代が支払われないだけの「名ばかり管理職」とは?

明らかに管理監督者に該当しないのに「管理職だから」ということで残業代が支払われないケースが頻繁に見受けられます。このような状況にある人は「名ばかり管理職」と呼ばれており、多くの職場で問題になっているようです。

 

先ほどまで紹介したチェックポイントを見ながら、自分自身や職場内で「名ばかり管理職」が発生していないかどうかを、常に確認しておいたほうがいいでしょう。場合によっては、大きな問題に発展する恐れがあります。

 

自分は名ばかり管理職かも…

「もしかしたら自分は名ばかり管理職かも」と思ったらどうすればよいのでしょうか。筆者は以下の対応をお勧めします。

 

1. 自分が管理監督者に該当するかをセルフチェックする

2. まずは企業と交渉する

3. 労基署に問い合わせる

4. 弁護士に相談する

5. 転職する

 

それぞれ詳しく解説していきます。

 

1.まずは自分が管理監督者に該当するかをセルフチェックする

まずは、自分が管理監督者に該当するのかどうかをセルフチェックしてみましょう。本記事でも紹介した管理監督者の定義や、現行の労働基準法を確認して、自分が管理監督者に該当するかどうかを確認してみてください。

 

2.企業と交渉する

もし自分が管理監督者に該当しなさそうで、それでいて残業代が支払われていない場合は、企業と交渉してみるのがいいでしょう。企業が、名ばかり管理職の事態に気づいていない可能性もあるので、交渉に応じて残業代を支払ってくれる可能性があります。

 

ただし、残業代請求の時効が3年である点に注意が必要です。また、仮に就業規則で「残業代を支払わない」と明記されていて、それが公序良俗に反している場合は、民法が優先される可能性があります。

 

3.労働基準監督署に問い合わせる

企業と交渉して上手く解決しなかった場合は、労働基準監督署(労基署)に問い合わせるのがいいでしょう。また、企業と交渉する際に「解決しなさそうだったら労基署に問い合わせる」と伝えておくことで、企業が交渉を無視できなくなります。

 

労基署に問い合わせる際の懸念点として、法的判断については対応できない点が挙げられます。管理監督者ではないと判断され、それでも企業が残業代の支払いに応じない場合は労基署で対応可能です。しかし企業側が、管理監督者でないことを認めない場合は、管理監督者かどうかの法的判断が必要になるため、裁判で決着をつけなければなりません。

 

3.弁護士に相談する

労基署に問い合わせても解決にならない場合は、弁護士に相談するのがベターです。これで、管理監督者であることを否定できそうであれば、裁判を起こします。

 

ただし、裁判を起こすには一定の費用が必要なので、仮に残業代を受け取れたとしても収支が赤字になる可能性もあります。総合的な収支がどうなるかを考慮して、裁判を起こすべきかどうかを検討するのがいいでしょう。

 

4.転職する

残業代の受け取りを諦めて、いっそのこと転職してしまうのも選択肢のひとつです。残業代が支払われない状態で働いても、得することはほとんどありません。待遇がいい企業に転職することも検討しておきましょう。

従業員と企業の双方が確認する

もしあなたが名ばかり管理職である場合は、残業代が支払われるように企業に交渉したほうがいいでしょう。また、企業側も、名ばかり管理職の問題が発生していないかどうかを確認しておくのが懸命です。

 

 

株式会社識学

 

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