仕事が速い会社は実施している…無駄を省いて「業務効率化」を実現する5つの策【経営コンサルが解説】

「業務効率化」と「生産性向上」はなにが違う？

まずは業務効率化と生産性向上の違いを解説していきます。

「業務効率化」とは？

まず業務効率化とは、その名のとおり、業務を効率化させることです。一般的には、業務の無駄を取り除いたり、業務フローを改善したりすることで、業務を効率化させます。具体例として、以下が業務効率化に該当すると考えられます。

あくまでも「時間」や「労力」の無駄をなくすことが業務効率化の目的・意味、と捉えてよいでしょう。

「生産性向上」とは？

一方で、生産性向上は、その名のとおり生産性を向上させることです。大前提として、生産性は投入量と歳出量によって決定されます。たとえば歳出量をキープした状態で投入量を減らすことができれば、それは「生産性が向上した」といえます。

そして生産性を向上させるアプローチは実に多彩です。投入量をキープした状態で歳出量を増やすアプローチもあれば、大数の法則を活用するために、投入量を増やして歳出量を劇的に増やすアプローチも考えられます。

つまり、業務効率化は生産性向上のための手段の1つに過ぎないということです。これが業務効率化と生産性向上の違いだといえます。

業務効率化による生産性向上が求められる、3つの背景

業務効率化による生産性向上が求められる背景としては以下の3つが挙げられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

背景1：少子高齢化による人手不足のため

業務効率化による生産性向上が求められる環境として、まず挙げられるのが少子高齢化です。日本はいわずもがな少子高齢化が進んでいる国の1つで、これにより、労働人口の減少が懸念されています。

一般的に人口動態は、よっぽどの大災害が発生しない限り、予測どおりに進んでいきます。そのため、少子高齢化による人手不足は高確率で訪れる未来です。すでに現段階でも少子高齢化による負担増大が見受けられるといっていいでしょう。

このような社会で有効なのが、少ない人数で多くの成果を出せるようにすること。つまり、業務効率化による生産性向上です。業務を効率化させて、少ない労働人口でも高いパフォーマンスを発揮しなければいけない局面になってきています。

背景2：VUCA時代に対応するため

次に考えられるのは、VUCA時代に対応することです。「VUCA」はもともと軍事用語として用いられていた、以下4つの単語で構成された造語です。

VUCA時代とはすなわち、変化が非常に激しく複雑な社会情勢にある現代のことです。そのためビジネス界では、このVUCA時代に対応するために、可能な限りコンパクトで身軽な経営体質を構築する必要があると考えられています。

その鍵を握るのが、業務効率化による生産性向上を活用した人員削減です。会社の規模は従業員数で決まり、従業員が多ければ多いほど、身動きが取りづらくなります。

変化の激しい時代に対応するには、業務効率化を推進させて、少ない従業員でもビジネスを回せる体質づくりが必要といえます。

背景3：多様性のある働き方を提供するため

業務効率化による生産性向上を実施できれば、多様性のある働き方を提供できます。週休3日制、育休・産休、リモートワークの実施も実現できるかもしれません。

現在、さまざまな人材を獲得するために、多様性のある働き方を提供する企業が増えています。多種多様なライフスタイルに対応可能な、多様性のある働き方を提供できない企業が「古い企業」というレッテルを貼られる時代も、そう遠くないでしょう。業務効率化による生産性向上を推し進め、ブランディングとして多様性のある働き方を提供する企業が増えています。

こうした時代背景に対応していくことのできる企業が今後も生き残っていくのです。

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け！》
≫≫≫DXナビ　メルマガ登録はこちら