管理職に残業代は出るのか?
まずは、管理職に残業代が出るのか出ないのか問題を深掘りしていきます。
労働基準法における残業の定義
そもそも残業は、どこからどこまで残業だといえるのでしょうか。まず一般的に、従業員の労働時間は以下のように定められています。
・休憩=1日6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は60分
・休日=毎週1日は休日を設ける必要がある
そして、これらの時間をオーバーする形で労働した場合に、割増賃金として残業代が支払われます。基本的には、通常の賃金の1.25倍以上が残業代です。
管理監督者には残業代を支払わなくてもいい
ただし、企業が残業代を支払わなくてもいいケースが存在します。それは、従業員が管理監督者である場合です。労働基準法では、管理監督者については、労働時間に関する規定の適用外となっています。
なぜ管理監督者に残業代を支払わなくてもいいのか。それは管理監督者が自らの労働時間をコントロールできる立場にあるためです。また、一般従業員に比べて基本給が高く設定されるために経済的に余裕があることから、残業代に関する規定を設ける必要がないと判断されています。
「管理監督者」の定義
では、管理監督者とは一体どのような定義になっているのでしょうか。厚生労働省は「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」にて、管理監督者の要件を以下のように紹介しています。
・労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有していること
・労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な責任と権限を有していること
・現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないようなものであること
・賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされていること
また、管理監督者の定義について重要なのは「役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態によって判断される」という点です。
ポイントは管理監督者であるかどうか
以上の管理監督者の定義を見るに、管理職が必ずしも管理監督者であるとは限らないことがわかります。たとえば管理職の役職についていても、労働時間をコントロールできる立場にない場合は、管理監督者とはいえないので、自分の対応によっては残業代が支払われる可能性があるのです。
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