袁世凱が独立体制を固める裏で「第一次世界大戦」勃発
袁世凱は光緒新政では改革の旗振り役だったこともあり、孫文には「ヤツは立憲制に順応してくれるのでは?」という期待もあったのですが、野心家の袁世凱は自らの本拠地北京に居座って革命派を完全無視。淡い期待を打ち砕かれた革命派は瞬殺されました(第二革命)。
袁世凱は正式に大総統に就任し、独裁体制を固めます。この時に第一次世界大戦が勃発し、ドイツの勢力範囲山東半島を占領した日本が、山東権益の譲渡や日本人の政治・財政顧問の採用など屈辱的な内容を含む二十一カ条要求を突きつけると、袁世凱は受諾※。
※ 当時の中国の力では、日本軍に対抗できなかった
この「弱腰」に対する批判を封じ込め、また混乱が続く国内をまとめ上げるために、袁はなんとか自らの求心力を高めようと考えます。
その答えがなんと帝政復活で、袁世凱自身が皇帝に即位! これはさすがに時代錯誤だと国内は大ブーイングです。列強も帝政に反発するなど予想外の逆風に驚いた袁世凱は帝政を取り消し(第三革命)、同年に病死してしまいました。
結局、この革命で中国は
1.異民族王朝であった清は滅亡し、(形式上は)共和政の国家が成立
2.しかし実際は、軍閥勢力による保守的な政治が続く
一言で言うなら、「表面的な政体は変わったが、政治の中身は相変わらず」です。第一次世界大戦後、「中身」を変えるため、孫文がまた立ち上がります。
平尾 雅規
河合塾
世界史科講師
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