(※写真はイメージです/PIXTA)

レバレッジ効果が大きくなるというメリットから、不動産投資でフルローンに拘る人は少なくありません。では、そもそも不動産投資でフルローンが出るのは日本の銀行だけということをご存じでしょうか。本記事では、不動産投資家のアユカワタカヲ氏による著書『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』から、不動産投資ローンの基礎知識とともに、フルローンで不動産投資ができる理由を解説します。

「ローン金利」と「返済期間」が合否を決める

ここでは、融資についての基礎知識を身につけましょう。

 

融資の返済方式は「元利均等返済方式」と「元金均等返済方式」の2種類

金融機関から融資を受けた時の返済方法は2種類あります。それが、元利均等返済方式と元金均等返済方式です。どちらもメリットとデメリットがあります。

 

まずは元利均等返済方式です。これは元金と金利を合計して毎月の返済額が均等になる返済方式です。メリットとしては、毎月の返済が一定ですので事業計画を立てやすい点です。一方デメリットは、返済初期の元金返済が少ないため、金利負担が膨らみ、長期で見ると結果的に総返済額が増えてしまいます。

 

では、元金均等返済方式です。こちらは毎月の元金の返済は一定で、元金の残債に対して利息が上乗せされます。よって、月々の返済額が毎月毎月徐々に減っていくのが特徴です。事業計画が立てづらい一方で、トータルの返済額は、元利均等方式より少なくなります。

 

どちらの返済方式がいいとはいえません。投資目的や他の返済のトータルバランスで考える必要があります。

 

ただし、不動産事業への金融機関の融資の場合、ほとんどが「元利均等返済方式」といってもいいでしょう。金融機関で融資を申し込み、何もいわなければ、「元利均等返済」になります。どうしても「元金均等返済」をしたい場合、最初にご自身から主張されるほうがいいと思います。

 

金利は「変動金利」と「固定金利」2種類

不動産経営の収支に大きく影響するのが金利です。変動金利と固定金利、どちらを選択するのがベストなのでしょうか? まずは、変動金利と固定金利の違いを知ってください。

 

変動金利とは、短期金利の変動にともない、一定期間ごとに金利が見直されます。一般的には半年に一度です。メリットとしては、金利水準が下がった時には、それに連動して借り入れ金利も下がることです。デメリットは、短期金利が上がった時には、それにともない金利が上昇してしまいます。ということで収支計画が立てづらいという点です。

 

固定金利は、一定期間金利が固定されています。その期間の収支が立てやすいという特徴があります。デメリットは、仮に市場金利が下がったとしても高い金利のままの状態が続いてしまいます。

 

また民間の金融機関の場合は、固定金利で借りている融資を繰り上げ返済、一括返済する場合、違約金が発生します。この違約金が結構の金額になりますので、いずれ売却や借り換えをお考えの方は、変動金利で借りておくことをおススメいたします。

 

融資方法は「ノンリコースローン」と「リコースローン」の2種類

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ちなみに銀行が融資する場合の融資の性質上、2種類のローンに分けられます。それが、「ノンリコースローン」と「リコースローン」です。

 

「ノンリコースローン」は世界のスタンダードのローンの仕組みで、「non-recource debt(非遡及型融資)」といわれます。返済の原資(元手)とする財産の範囲で限定を加えた貸付方法です。簡単にいうと、担保に取られている物件を手放せば、それ以上の返済は求められないというローンです。

 

2006年頃アメリカで起こった「サブプライムローン」問題。そのサブプライムローン破綻者たちは、家を手放せばそれで負債は免除されるというものでした。ですから当時、家を手放して、テント生活をするアメリカ人がニュースで頻繁に取り上げられていました。

 

■「フルローンが出るのは日本だけ」のワケ

「リコースローン」は、日本のスタンダードのローンの仕組みです。リコースとは、「追いかけてくる」という意味です。破綻してしまった場合、永遠に取り立てが来ます。残債を1円残さず返さなくてはならないのです。ですから、日本の銀行はやたら担保を取りたがるのです。日本のほうがローンに対して厳しいスタンスですよね。

 

しかし一方で、リコースローンだからフルローンが下りるのです。不動産投資で「何としてもフルローン」と思っている方も多いと思いますが、「フルローンが出るのは日本だけ」ということを忘れないでください。

 

当然の話ですが、同じ物件を手に入れたとしても、元利均等か、元金均等か、固定金利か、変動金利か、はたまた、頭金はどれくらいか、返済期間はどれくらいかで、月々の収支が全く変わってしまいます。様々な収支シミュレーションをした上で、ベストの事業計画を作ってください。

 

※本記事は『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』(ごきげんビジネス出版)一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

 

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※本連載は、アユカワタカヲ氏による著書『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』(ごきげんビジネス出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

1000年使える不動産投資最強成功術

1000年使える不動産投資最強成功術

アユカワ タカヲ

ごきげんビジネス出版

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