生活保護世帯のうち、半数以上は高齢者という実態
厚生労働省「生活保護制度の現状について」(令和4年)によると、生活保護を受給している世帯数は約164万世帯。そのうち65歳以上の世帯は91.3万世帯と、56%を占めています。もはや生活保護制度は高齢者のものとなりつつあります。
しかし、潤沢な収入を持ち安定した生活をしている現役世代にとっては、「生活保護」「老後の困窮」と聞いても現実感はないでしょう。決して多くはないけれど一定額の老齢年金は見込めるし、貯蓄も資産運用もしていて退職金もある、自分は極端に貧困に陥ることはないだろうと思っているかもしれません。しかし現役時代に高所得を誇った人達でも生活保護に頼らざるをえない「ある状況」が存在します。
それは「夫亡きあとの高齢の妻」です。老後に夫が亡くなったあと、妻の生活がどうなるのか事例を交えて解説していこうと思います。
安泰の老後のはずだったのに…Aさん夫婦の事例
妻Cさん 68歳 専業主婦
長女 42歳 既婚
次女 38歳 既婚
夫のAさんは大学卒業後22歳で大手企業に就職し、順調な会社員生活を送ってきました。60歳で退職する直前の年収は約800万円。子供2人を私立大学に進学させ大きく貯蓄は減りましたが、それでも1,200万円が残っています。そして退職金は2,500万円。退職直後の金融資産は3,700万円と潤沢でした。
自宅はAさんの実家を相続して住んでいるため、住宅ローンはありません。妻のCさんは一度も就職したことがないまま、23歳のときにAさんと見合い結婚をしました。夫のAさんが「一生苦労をさせません、一生働かなくてもいいようにします」とCさんの父親に誓い、その言葉どおりにCさんは一度も就職せず、アルバイトさえしたことがないまま専業主婦として生活してきました。
誰もが羨むような順調なリタイア生活のスタートを切ったはずの夫婦ですが、最初から前途が不安となる状態でした。夫の生活水準が現役時代とまったく変わらないのです。
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