最高月収120万円だった58歳元部長「管理職になんてならなければ...」退職から3年も、夜毎シャワーで悔し泣き。かすむ視界の先の65歳で受け取る「絶望の年金額」【FPの助言】

最高月収120万円だった58歳元部長「管理職になんてならなければ...」退職から3年も、夜毎シャワーで悔し泣き。かすむ視界の先の65歳で受け取る「絶望の年金額」【FPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

現代の管理職には、昇進の背後にある見過ごしがちなリスクが存在します。収入の増加や地位の向上は一見魅力的ですが、それに伴って失われるものもあることを多くの人が実感しているようです。本記事では山本さん(仮名)の事例とともに、老後破綻を招きかねない管理職昇進の皮肉な構造について、合同会社エミタメの代表を務めるFPの三原由紀氏が解説します。

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数字が暴く「管理職の罠」…月収120万円の代償

「休日出勤も当たり前でした。部下の残業を減らすために自分が作業を引き受け、土日は資料作りに追われる。妻からは『このままじゃ倒れるわよ』と何度も諭されましたが、部長という肩書と高給に縛られ、身動きが取れなくなっていました」

 

山本達也さん(仮名/58歳)の悲痛な叫びは、管理職という立場が持つ両面性を如実に物語っています。収入は確かに増えましたが、それは彼の生活の質を根本から変えることになりました。

 

山本さんは、経験者採用で大手IT企業に38歳で転職、45歳で部長に昇進後、月収が80万円から120万円に急増しました。しかし、代わりに「3つの健康」を失ってしまいます。平日の帰宅は午前様が常態化。子どもの成長を見守る時間もなく、休日も常に携帯のメールをチェックする日々。「120万円の月収を得る代わりに、私は家族との時間を失ったんです」と振り返ります。

 

その代償は、最終的に「健康」という形で表れました。

 

・睡眠時間(1日4時間)

・血糖値(HbA1c7.8%)

・家族との会話(月0回)

 

深夜残業による睡眠不足から体調を崩し、人間ドックでは危険な血糖値を記録。日本人間ドック学会の基準値をみると、基準範囲が5.5以下。5.6〜6.4は要注意。6.5以上は異常値とされています。異常値のバーを大きく超えた山本さんは医師から「このまま放置すれば、失明のリスクもある」と警告されます。その半年後、糖尿病性網膜症で失明リスクが判明し退職。

 

定年まで勤め上げる予定が想定外に強制終了となったことで、

 

・退職金の半減

・企業年金の終身受給権の消失

・公的年金の受け取り見込額の縮小

 

という三重苦に直面することになったのです。

 

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※プライバシー保護の観点から、実際の相談者および相談内容を一部変更しています。

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