(※写真はイメージです/PIXTA)

年金も預貯金も十分で、夫婦ともに健康な70代。一見なんの心配もなさそうですが、「老後破産リスク」は思わぬところに潜んでいるものです。老後「密かな夢」を叶えるべく、高級老人ホームに入居した元会社役員のAさん(70歳)の事例から、株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPが解説します。

高卒で会社役員へ…“努力の勝ち組”Aさんの「密かな夢」

高卒でとある中小企業に就職したAさん。同じ部署の2つ年上の先輩と懇意になり、入社3年目で結婚しました。その後寿退社した奥様は専業主婦として家庭を支え、一方のAさんは家族のために仕事一筋でがむしゃらに働きました。

 

会社への貢献が認められ、高卒ながら役員までのぼりつめたAさんは、65歳までは取締役として、その後は顧問として働き、70歳で引退。70歳時点での資産状況は、自宅の戸建て(住宅ローンはすでに完済)と預金3,500万円です。そのほか、年金は「繰り下げ受給」を選択しており、夫婦あわせて月30万円ほどあります。

 

Aさんには、現役のころから密かな夢がありました。それは、「引退後は夫婦でのんびり暮らす」「妻には家事を一切させず、ゆっくりしてもらう」というもの。この夢を実現するため、Aさんは“理想の老人ホーム”を探し始めました。

 

「これだ……」Aさんが見つけた理想の施設は、「高級老人ホーム」です。早速サプライズで奥様に「なあ、ここで一緒に住もう」と提案しました。

 

当初猛反対の奥様もしぶしぶ納得…ついに「高級老人ホーム」入居へ

奥様は当初、「なにをバカなこと言ってるの! いまの家で十分でしょう」と猛反対。しかし、Aさんはめげません。

 

Aさんは奥様に、自分で試算した「入居後の支払計画」を見せました。その内容は下記のとおりです。

 

  • 入居一時金:2,000万円
  • 利用料:2人で月35万円

 

預金3,500万円-入居一時金2,000万円=残金1,500万円

 

  • 年金30万円/月から施設の月額利用料35万円を引くと差額は5万円。これを↑の残金1,500万円から賄う。

 

1,500万円÷(5万円×12ヵ月)=25年

 

⇒70歳のいま入居しても、95歳までは大丈夫!

 

「95歳まで暮らせるなら……」と少し心が揺らいだ奥様ですが、不安は拭い切れません。心配になり離れて暮らす子どもたちにも相談しましたが、意外にも「お父さんとお母さんが決めることだから。ゆっくり余生を楽しんで」と楽観的です。

 

しばらく悩みましたが、「いままで節約してきたし、1度入ってみても悪くない」としぶしぶ納得。2人は、高級老人ホームへの入居を決めました。

 

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