医師の写真でよく見るのは「カメラ目線で腕組み」だが…「患者が集まる病院」が使う意外なポージング【医師が解説】

医師の写真でよく見るのは「カメラ目線で腕組み」だが…「患者が集まる病院」が使う意外なポージング【医師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナパンデミックを機に「病院広報」は大きな転換点を迎えました。簡単には患者や紹介元に会えない昨今、病院広報にはこれまで以上の工夫が求められます。病院サイトに掲載する写真ひとつをとってもそうです。広報に成功している病院と失敗している病院では、採用する写真が大きく異なると、病院マーケティングサミットJAPAN代表理事で医師の竹田陽介氏はいいます。そこで本記事では、病院広報の具体的な戦略について、同氏が詳しく解説します。

病院広報で求められる「もったいない病」の治療

2020年以降のコロナパンデミックをきっかけにして、病院広報は大きな転換点を迎えたと感じています。筆者自身も含め、多くの医療機関の方々は「そうやすやすと患者や紹介元に会えなくなった」と感じているのではないでしょうか。

 

だからこそ、オフライン(対面)とオンラインを有機的に組み合わせて「会えなくても“近い”」(もちろん、会えたらもっと近い)という仕組みをどう築き上げていくかという議論、つまり病院広報のあり方を考える議論がますます重要になってきています。

 

しかし、病院広報は多くの場合、もっと前提的な事柄から考えたほうがよいと筆者は考えます。いわば「もったいない病」の治療から始めなければならない現状にあるのです。

 

通常の企業であれば、広報にしっかりと力をかけて「本来の価値」以上に伝わっている部分もあります。医療機関は概して「本来の価値」が充分に伝わっていない状態ということが多いのです。なんともったいないことでしょう。

 

だからこそ、きちんと真っ当な医療を行っていることを発信し、「伝わっている価値」を高める努力をすることで、きっとその分伸びしろも大きいでしょう。病院広報では、まずは「もったいない広報」を正す気持ちで臨むべきです。

 

※出所:筆者作成
[図表1]病院広報の基本は「もったいない病」の治療 ※出所:筆者作成

 

病院広報がアプローチするのは、患者、家族、紹介元の医療機関、そして求職者と多岐にわたります。従来的な病院広報ですと、広報室などの担当部署の方や、あるいは事務方の職員が1人だけで担当している場合も多く、多岐にわたるステークホルダーと向き合うには限界があります。

 

やはり広報を主幹する部署を中心としながらも、全職員が広報の当事者であり、部署ごとや委員会ごとに広報担当者を設けるような体制づくりが求められていますし、「病院の全職員で考える」という姿勢こそが「もったいない病」の克服において重要になるでしょう。

病院広報で大切なタッチポイントの見極め

病院広報のなかでもっとも大切なこと、それは「誰に、どの接点で、自院の『医療(人)』を伝えるか?」という視点です。

 

「誰に、どの接点で」が媒体のタッチポイントであり、伝えるべき「医療(人)」とはコンテンツ(ユーザーが体験するもの)になります。病院広報について考えるときに、コンテンツとタッチポイントの2つに沿って情報を整理していくと、スマートな議論ができます。

 

タッチポイントはウェブサイトやメルマガ、SNS、テレビなどです。たとえまったく同じメッセージであっても、媒体が違えば、見え方や伝わり方も変わってきますし、それぞれアプローチ可能な人物の年代や属性も変わってきます。具体的に「誰になにを伝えられるか」を考えなければなりません。

 

また、効果を検証する「答え合わせ」の観点も重要です。たとえばメルマガやSNSなどは解析ツールでどれくらい読まれたかを定量的にチェックすることができますが、テレビではそこまで詳しくみることはできません。筆者はよく「介入の答え合わせができるか」という言葉で説明するのですが、ここもタッチポイントを考えるうえで見逃せません。

 

※出所:筆者作成
[図表2]「Touch point」で大切にすべきこと ※出所:筆者作成

 

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※本記事の著者である竹田陽介氏は2023年7月21日には「コトセラ・ウェビナー」(

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