病院広報におけるタッチポイントの優先順位
[図表3]は、コロナを経た私たち医療機関にとって、どのタッチポイントが効くかをまとめています。赤字で書かれている媒体はコロナの前後で新たなチャンスが出てきたものです。
全体に横軸が「誰に」という対象を表し、縦軸が「どの接点で」ということを表現しており、答え合わせのしやすさという観点においても評価を試みました。
筆者自身、さまざまな病院広報の事例をみてきましたが、「◎」(二重丸)をつけているものは本当に鉄板といえるほどの効果のある施策となっています。それから「×」とつけたものですが、まだ有効性が充分に証明されていないものといった意味合いですので、「やめたほうがよい」というわけではありません。
また、これだけデジタル全盛の時代に、電話が「◎」なのは意外に思われたかもしれませんが、たとえば患者さんの手術後、手術を担当した外科医がその患者の紹介元に1本「手術が無事終わりました」とすかさず電話を入れるだけで、次の紹介時には外科医への名指し紹介(担当医侍史→〇〇先生侍史)になるぐらいの大きな変化も期待できます。
そのSNS運用、本当に必要?
次の[図表4]はさきほどと同じ観点で、SNSやメルマガなど、比較的に新しいオンライン施策を考察してまとめています。
よくいわれるように、タッチポイントは「なにか1つ」ではなく複合的なマルチチャンネルととらえていく必要があります。1人の人物が必ずといってよいほど複数のタッチポイントに触れるのです。
だからそう聞くと「じゃあ、媒体の数を増やせばいいんですね」という反応が返ってくることがありますが、タッチポイントの数を増やしたところで、そのタッチポイントがアクティブかどうか注意する必要があります。
たとえば、YouTubeを開設してみたけれども、登録者がゼロであった場合、そこに時間や労力を注ぐのは無意味といわざるを得ません。重要なのは、やみくもに媒体を増やすのではなく、アクティブなタッチポイントを増やすことであり、有意義な接点を多く持つことです。
また、ここで挙げるSNSやメルマガなどのタッチポイントは必ずしも優先順位が高いわけではないことも注意が必要です。
これまでのさまざまな事例をみてきた筆者の経験則から、オンライン施策のうち、連携医療機関を対象にメルマガを発信するのは非常に効果が高く、患者や家族に向けてLINEでコミュニケーションをとることも特にコロナ以降は有効だと感じています。しかし、決してオンライン至上主義というわけではありません。
自院のリソースで管理しきれるかどうかを見極めながら、優先順位をつけて取り入れていくとよいでしょう。
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