1.結果の概要:個人所得は市場予想を下回る一方、個人消費は市場予想を上回る
8月31日、米商務省の経済分析局(BEA)は7月の個人所得・消費支出統計を公表した。
個人所得(名目値)は前月比+0.2%(前月:+0.3%)と前月、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の+0.3%を小幅に下回った(図表1)。
個人消費支出は前月比+0.8%(前月改定値:+0.6%)と+0.5%から小幅上方修正された前月、市場予想の+0.7%を上回り、23年1月以来の伸びとなった。価格変動の影響を除いた実質個人消費支出(前月比)は+0.6%(前月:+0.4%)と前月、市場予想の+0.5%を上回り、こちらも23年1月以来の伸びとなった(図表5)。
貯蓄率1は3.5%(前月:4.3%)と前月から▲0.8%ポイントの大幅な低下となった。
価格指数は、総合指数が前月比+0.2%(前月:+0.2%)と前月、市場予想(+0.2%)に一致した。変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数も前月比+0.2%(前月:+0.2%)と前月、市場予想(+0.2%)に一致した(図表6)。
前年同月比は総合指数が+3.3%(前月:+3.0%)と前月を上回った一方、市場予想(+3.3%)に一致した。コア指数は+4.2%(前月:+4.1%)とこちらも前月を上回った一方、市場予想(+4.2%)に一致した(図表7)。
1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
2.結果の評価:堅調な個人消費が持続した一方、貯蓄率は大幅に低下
個人消費(前月比)は7月が+0.8%と堅調となった前月の+0.6%からさらに伸びた加速した(図表1)。足元2ヵ月はこれまで好調を維持してきたサービス消費に加えて財消費も堅調な伸びを示した(後掲図表4)。
個人所得(前月比)は7月が+0.2%と前月を下回った。労働需給の逼迫を背景にした賃金・給与の堅調な伸びは続いているものの、移転所得の減少が個人所得の伸びを鈍化させた。
これらの結果、貯蓄率は7月が3.5%と22年11月以来の水準に急低下しており、7月は所得対比で個人消費が非常に強かったことが分かる。
一方、FRBが物価指標としているPCE価格指数は、前月比で総合指数と物価の基調を示すコア指数ともに7月は前月並みの小幅な伸びに留まっており、物価上昇圧力が緩和してきていることを確認した。
もっとも、前年同月比では総合指数、コア指数ともに22年6月が大幅な伸びとなった反動もあり、7月は前月を上回ったほか、コア指数は+4.2%とFRBの物価目標(2%)を大幅に上回る状況が続いており、インフレ抑制のためのFRBによる金融引締め政策が長期化するとの見通しを変更するものではない。
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