住宅性能③断熱性…先進国中で日本の住宅は最も劣るという事実
知っている人の間では常識なのですが、多くの方が知らない事実の一つに、日本の住宅の断熱性能が先進国中で、突出して劣っているということがあります(関連記事:『日本の住宅「最高等級の窓」でも「海外では最低基準」という衝撃の事実』)。
たとえば、日本で最高等級の評価を得られるU値2.33レベルの断熱サッシは、他の多くの国の最低基準を満たしておらず、違法扱いになってしまいます。
つまり、日本で普通に家を建てるということは、他の国では考えられない低断熱の家になるということです。ちなみに欧州の国々では、結露が生じると施工者は責任を問われるそうです。日本では一流と言われるハウスメーカーの住宅も結露が生じるのがあたり前ですから、家の要求されている断熱性能がまったく異なることがおわかりいただけると思います。
脱炭素社会に向けて、国は住宅の断熱性能の向上に非常に力を入れています。品確法において、従来、断熱等級4(省エネ基準)が最高等級でしたが、昨年5月に断熱等級5が創設されました。さらに昨年10月にはその上位等級として、断熱等級6、7が相次いで創設されています。
また日本は、先進国の中で唯一、新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられていない国なのですが、昨年建築物省エネ法が改正され、2025年から遅ればせながら、他国に比べて極めて緩い基準の省エネ基準(断熱等級4)レベルではありますが、適合が義務化されることになりました。さらに2030年には断熱等級5が義務化されることがほぼ確定しています。
つまり、これから家を新築するもしくは分譲住宅を購入するのであれば、少なくても断熱等級5レベルの家にしておかないと、あっという間に最低基準を満たさない家になってしまい、資産価値の低下を免れることができないということです。
「高断熱住宅」について、明確な定義は現時点ではありませんが、これから家を建てるのならば、断熱等級6は確保しておくことを強くお勧めします。
住宅性能④気密性能…施主が意識しないと確保できない
最後に重要な住宅性能の要素が気密性能です。耐震性能、耐久性能(劣化対策)、断熱性能については、十分なレベルかどうかはさておき、品確法等において国が定める基準存在します。
ところが、気密性能については、諸外国では厳しい基準が定められているのに対して、日本では省エネ基準等において現在は何ら定められていません。
冬の服装に例えると、断熱はセーター、気密はウィンドブレーカーにあたります。断熱性能だけ高めても、すきま風だらけの家では、快適ではないし、省エネでないことはおわかりいただけると思います。
本来、断熱と気密はセットで考えるべきものなのですが、不思議なことに、日本では気密性能に関する取り組みが極めて遅れています。また、日本に気候には、高気密住宅は適しておらず、すきまだらけの家がいいのだというおかしな誤解もいまだに蔓延しています。
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