住宅性能②耐久性能…日本の住宅の耐用年数は極めて短い
国土交通省の資料によると、欧米の住宅の平均寿命は80年~100年以上であるのに対して、日本の住宅は30年間程度に留まっています。
日本の住宅の耐用年数が極めて短いのは、既存住宅が住宅市場で評価されにくく流通しにくいことと、住宅自体の耐用年数が短いことの2つに起因しているものと思われます。
国は、住宅の耐用年数を伸ばすことを目的の一つとして、平成20年から「長期優良住宅」という認定制度を設けています。
この認定基準の一つに、「数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること」として、「劣化対策等級3」の確保が求められています。「劣化対策等級3」は、75~90年程度の耐久性能を指すとされています。
私は、日本の住宅の対応年数が短いため、各世代が住宅を新築し住宅ローンの負担し続けていることが、GDPの割に豊かさを実感できない大きな要因の一つではないかと考えています。
どんどんスクラップ&ビルドを繰り返していた高度経済成長の時代は過ぎ、低成長時代を生きていかなければならない我々にとって、数世代にわたって住み続けることができる耐久性能を持つ住宅が普及することはとても重要なことです。
耐久性能は、劣化対策等級3でも不十分⁉
劣化対策等級3により75~90年程度の耐久性能が確保できるとされていますが、私はこれだけでは不十分ではないと考えています。
前提として、後に触れる高気密・高断熱化を前提とするならば、住宅の構造は木造が最も有利になります。コストや耐震性能を鑑みても、木造がもっとも優位性のある住宅の構造です。
そして、木造の唯一の欠点と言えるのが、木が腐る「腐朽」と「蟻害(シロアリ被害)」のリスクです。この二つリスクを極力排除することが、住宅の長寿命化には重要です。ところが、防蟻(シロアリ対策)については、日本の住宅業界においては、以下の2つの問題があります。
第一に、合成殺虫剤系の防蟻剤を使っている会社が7割程度を占めているということです。以前詳しく説明(関連記事:『恐ろしい…EUの禁止農薬が使われる「日本のシロアリ対策」驚愕の実態』)したのですが、合成殺虫剤系は、人体に有害であるある上に、有機系なので経年で分解されてしまい、防蟻効果が5年程度でなくなってしまいます。
建築基準法は、地盤面から1mまでの防蟻対策を求めていますが、5年後に再施工しようにも地盤面から1mの柱等の構造材は壁や断熱材に覆われていて、再施工を行うことは実質的に不可能であり、無防備な状態になってしまうのです。
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