(※写真はイメージです/PIXTA)

加速度的に人口が減少している先進国では、年金制度が大破綻する将来がより確かなものへとなってきている。そこで今回は、長期投資家の渡部 清二、澤上 篤人の二人が、その年金制度の破綻による経済危機をいかに乗り越えるべきなのか、「個人の姿勢」に着眼して、解説します。

「年金は国に任せておけばいい」ではなくなる

渡部 ずっと澤上さんのお話を聞いていて、やはり、まず年金があり、次に運用者側のマーケティングがあり、というのが諸悪の根源ですね。

 

澤上 その諸悪の根源も、もう間もなく世界的な規模で、大暴落があるから、まとめて駄目になる。これはかなり重い問題になるよ。年金もボロボロになるからね。

 

渡部 そうすると、これまでは個人も「年金は国に任せておけばいい」と考えていたけれども、もう任せられないとなると、意識も変わるという動きが起こるかもしれませんね。

 

澤上 変わる前に、「年金はどうなるの?」で大騒ぎとなるだろうね。

年金制度の崩壊の可能性

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

渡部 年金制度、そのものが崩壊するということも起こり得ますかね?

 

澤上 崩壊に近い状態に陥って、年金運用に関し、ものすごい大反省期を迎える。その後、年金運用が本来の姿──長期投資に──戻るかどうかは現在のところわからない。

 

さらに、よく考えて欲しいのは、今の年金制度は人口が増えていく段階ではよく機能していたよ。しかし、人口が減りだしたら機能しないわけ。現役層が負担する金額はどんどん大きく重くなる。その現役層の負担に、先進国は苦しんでいる。

 

しかも、人口は加速度がついて減っていて、状況はどんどん悪くなっていく。といって、年金制度の構造問題はどうしようもできない。運用もガタガタになってしまったしね。

 

それを新興国は見ているから、新興国はこれからどういう年金をつくったらうまくいくか、大変に参考になるわけ。

 

渡部 なるほど。最初から公的年金という発想ではなくて、すべて私的年金で、民間が担うというのは優れたアイデアですね。

 

澤上 国は税優遇さえしてあげればいいだけだから。大事なのは、国民がそれぞれ自分の年金をつくっていければいいだけなんだから。新興国は経済が伸びているんだから、それに年金システムを乗せない理由はないわけよ。

 

先進国もそうすれば良かったのに、世代間扶養という巨大で重い制度をつくってしまった。それで、えらい苦労をしている。こんな大変な仕組みは必要がなかったんだよ。

 

渡部 なるほど。

 

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※本記事は、澤上篤人氏・渡部清二氏の著書『本物の長期投資でいこう! 40年に一度の大チャンスがやってくる』(かや書房)より一部抜粋してお届けしています。

本物の長期投資でいこう! 40年に一度の大チャンスがやってくる

本物の長期投資でいこう! 40年に一度の大チャンスがやってくる

渡部 清二 澤上 篤人

かや書房

「方法論よりも理念を語りたい。自分の好きな個別株に命をかけろと話したい」(序章より) 40年にわたる金融政策の末、ついにやって来るインフレと大暴落。そんな世界的な危機に対して、「さわかみ投信」創業者 澤上篤人と…

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