借主による「賃上げ・賃下げ」交渉は法律で認められている
土地や建物の賃貸借契約においては、借地借家法により、賃料の増額または減額の請求が認められています(土地については、借地借家法11条、建物について借地借家法32条)。
この規定は、強行法規とされており、たとえ、契約書で「賃料は増額(または減額)しないこととする」と定められていたとしても無効であり、賃貸人または賃借人は増額または減額の請求ができることとなります。
借地借家法は、賃料の増額または減額の請求ができることの条件として
と定めています。
ここで、前提問題となるのは、「増減請求の当否及び相当賃料額を判断するにあたり、基礎とすべき賃料および考慮すべき経済事情の変動等の期間はどのようなものであるのか」という点です。
たとえば、賃料の自動増額特約があるような場合、すなわち、賃貸借契約が締結されてから、3年ごとに賃料が自動で増額する特約が定められているような場合に、賃借人側で地代の減額請求をしたいと考えた場合に、基礎となる賃料および経済事情の変動期間は
・契約締結時点の賃料額と、その時点からの経済事情の変動を考慮するのか
それとも
・特約で最後に増額された時点の賃料額と、その時点からの経済事情の変動を考慮するのか
ということが問題となります。
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