中古物件でも設備を新品にして「お得感」をアピール
前回の続きです。
【武蔵仕様のポイント④】
費用対効果の高い設備を付ける
こだわると費用がかかりすぎてしまうのが設備の追加工事です。必要以上に設備を追加する必要はありませんが、数点追加するだけでも、マイソク(募集チラシ)で設備面の充実度をアピールすることができます。
また内見時に新品の設備が付いていると中古物件なのに設備が新品ということで入居希望者にお得感をアピールすることができます。設備追加は第3回で説明した「リフォーム利回り」を指標にして検討する必要があります。
特に費用対効果の高い設備はエアコン、シャンプードレッサー・温水洗浄便座・TVモニターフォンです。どれも3万~8万円で導入が可能です。その他には浴室乾燥機も人気があります。理由としては単身用に多いベランダのない物件や、1階住居で洗濯物を干せない、干しにくい物件で重宝されるからです。
【図表 絶対お薦め3点セット】
入居者は水回り設備が「きれいかどうか」を重視する
【武蔵仕様のポイント⑤】
水回りはできる限り既存の設備を利用する
内装のリフォーム工事で最も費用がかかるのが水回りです。そのため「使えるものは使う」ことが大切です。ただし汚くて入居しないのでは意味がありません。なるべく費用をかけず最大限の効果を発揮できるように工夫することが重要です。武蔵仕様では、浴室とキッチンに少し手を加えるようにしています。
●浴室
相当な傷みがない限り交換はせず、塗装か再生用シートを利用します。また3点ユニット(洗面台・風呂・トイレが一緒)の場合は、カッティングシートを利用し、費用をかけずにデザインに力を入れます
見た目を良くすることで、3点ユニットの不利をカバーするようにしています。また風呂・トイレを分離することもできますが、賃料が5万円以下の物件で交換した場合は費用対効果が望めませんので、基本的には行いません。
【浴室リフォーム3 つの方法】
①交換
費用……50万~100万円程度
②浴室再生用シート仕上げ
費用……15万~20万円程度
③塗装仕上げ
費用……10万~15万円程度
●キッチン
キッチン回りは浴室に比べて交換コストが低いため、臨機応変に交換も視野に入れたリフォームを行います。リフォーム方法は「交換」「表面扉交換」「表面扉シート張り+取手交換」の三つですが、最も多い事例は「表面扉シート張り+取手交換」です。
水回りで重要なのは「きれいかどうか」です。交換に近い仕上がりで費用を抑えられることが採用している理由です。
【キッチン再生方法】
①交換
費用……15万〜20万円程度。既存のキッチンの劣化が激しい場
合、システムキッチンなどを導入し費用対効果の合う賃料アップが
見込める場合に交換します。
②表面扉交換
費用……7万〜12万円程度。本体は換えず表面扉のみを交換。物に
よっては交換と費用がさほど変わらない場合もあります。
③表面扉シート張り+取手交換
費用……3万〜10万円程度。キッチン扉の表面にカッティングシー
トを張り、取手を交換します。
※1800mm程度のサイズの場合