前回は、賃貸物件の大規模修繕で重視したい「防水工事」を紹介しました。今回は、エントランス、エクステリアの工事は内装業者に頼むべき理由について説明します。

目につく部分だからこそお金をかけたくなるが・・・

エントランス・エクステリア工事のポイントを下に示しました。ご覧ください。

 

【エントランス・エクステリア工事のポイント】

 

①塗料の色を変え、ポイントを作る
②看板を新調する
③郵便受けを新調する
④照明を新調する
⑤エレベーター内のリニューアルを行う
⑥植栽にこだわる

 

ポイントは、すべて入居案内のときに、入居希望者が特に目にする部分であるということ。ただ、こだわれば室内以上に費用がかかってしまうのが、エントランス・エクステリアの改修工事です。「入り口には石を敷き詰めよう」「オブジェを作ろう」「ゲートを作ろう」「ライトアップをしよう」考え出したらきりがありません。

 

物件購入直後で気持ちが高まっているときや、大規模修繕工事を実施し金銭の感覚がマヒしているときは要注意です。余計な工事をしないよう自戒してください。

 

ですので、ここでも「どんな目的で改修工事をするのか」を明確にしておくことをお薦めします。ご自分の物件を自慢するために改修工事を行うのであれば、いろいろとこだわり「趣味」を入れてもよいのですが、あなたはアパート事業で利益を最大化することが目的のはずです。常に最大の効果を考えなければなりません。

 

ここで紹介したポイントは、最小限のコストで最大限の効果を生むことを目的にしたものです。すべて行っても費用は30万円程度に抑えられます。

「コスト意識」を持つ業者に依頼して工事費用を抑制

この記事では業者選定のポイントには触れていませんが、あえてポイントをお伝えすると、エントランス・エクステリア工事の専門業者には頼まないほうがよいということです。

 

経験上、こういった専門業者は新築物件を手掛けたり、実需(自家用)の物件の工事を行ったりすることが多く、コスト意識に欠けている場合が多いためです。

 

そのため、筆者の会社がオーナーさんへご提案する場合には、あえて内装工事を手掛けるリフォーム業者に工事を頼みます。冒頭にてお伝えしたポイントの塗装以外の部分はすべて内装リフォーム業者で対応できるものです。

 

どの業種の工事業者に頼むかでも、コストが変わることが頻繁にあり、注意が必要です。

 

直近の事例では、敷地内の共用部で雑草が生い茂る部分に除草シートを張り、その上に白砂利を敷き詰めました。その他にも、エントランスのモニュメントの再塗装なども安価で施工可能な割に入居希望者への訴求力は高くなります。

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『改訂版 空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

本連載は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資・経営(管理運営)の成功を保証するものではなく、本連載を参考にしたアパート事業は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本連載の内容に基づいて経営した結果については、著者および幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。なお、本連載に記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時のものであり、今後、変更されることがあります。

空室率40%時代を生き抜く!  「利益最大化」を実現する アパート経営の方程式

空室率40%時代を生き抜く! 「利益最大化」を実現する アパート経営の方程式

大谷 義武 太田 大作

幻冬舎メディアコンサルティング

アパート経営は今までと同じやり方では利益が出ない時代へと状況が大きく変わってきています。歴史上初めての大きな転換期を迎えていると言っても過言ではありません。だからこそ今のうちに、アパート経営を見直し、しっかりと…

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