8月8日~14日「FX投資戦略」のポイント
〈ポイント〉
・7月末の日銀会合以降の米ドル高・円安は144円手前まで続いた。ただその後は日米の株価下落や、米雇用統計発表後の米金利低下などを受けて142円割れへ米ドル/円反落
・今週は米インフレ指標発表や米国債入札を受けた米金利の動きに注目
・米国債ポジションなどから、米金利は「意外に上がらない」と想定。そうであれば、米ドル高・円安は限られそう。今週の米ドル/円は138~143円中心で予想
先週の振り返り…日銀後の米ドル/円は144円手前で反転
先週の米ドル/円は、前週末の日銀金融政策決定会合の後からの米ドル高・円安の流れが一段と広がり、一時は144円近くまで米ドル高・円安となりました。
ただその後は、米国債格下げなどを受けて株価が大きく下落、そして金曜日に発表された米7月雇用統計でNFP(非農業部門雇用者数)が予想より弱かったことから米金利が低下したなかで、米ドル/円も142円割れへ反落となりました(図表1参照)。
そんな先週の動きから、まずは日銀会合後に大きく米ドル高・円安に振れたところから振り返ってみたいと思います。
今回の日銀会合では、10年債利回りの上限、0.5%以上の上昇も一定程度容認することが決まりました。このため、10年債利回りは先週0.5%を大きく上回り、さらに0.6%も超えるところとなりました。
同じように、10年債利回りの上限を修正したことから、10年債利回りが大きく上昇したのは2022年12月の日銀会合の後にも起こったことでしたが、その際は円金利の上昇に連れた形で米ドル安・円高へ大きく振れるところとなりました。
これに対して今回は、円金利の上昇を尻目に、上述のように米ドル高・円安が広がるところとなったわけです。なぜ同じ円金利上昇に対する円相場の反応が、2022年12月と今回は逆となったのでしょうか(図表2参照)。
日銀会合後の動きで、2022年12月と今回が違ったのは株価も同じです。前者では株安となったのに対し、今回は株高となりました。ではなぜ、日銀会合後に10年債利回りが上昇したなかで、株価の動きは前者と後者では反対になったのでしょうか(図表3参照)。