8月「FX投資戦略」のポイント
〈ポイント〉
・7月の米ドル/円は137~144円のレンジで上下に値動きの荒い展開が続きました。
・FOMC、日銀会合と言う注目イベントを通過しましたが、とくに日銀は政策の一部修正があったため、その影響の見極めが当面の行方を考えるひとつの焦点になりそうです。
・8月の米ドル/円予想レンジは137~144円中心で想定します。
7月の振り返り…上下に荒い値動きを繰り返す
7月の米ドル/円は、年初来の米ドル高値である145円に近い水準でのスタートとなりました。しかし間もなく大きく下落に向かうと、あっと言う間に140円を割り込んで一時は137円割れ寸前まで米ドル安・円高となりました(図表1参照)。
この145円手前から137円割れ近くまでの米ドル/円急落はなぜ起こったのか。きっかけは、米CPI(消費者物価指数)発表などを受けて米金利が低下したこと、そして大幅高となっていた日本株が急落に転じたことなどだったでしょう(図表2、3参照)。それにしても、短期間に約8円もの米ドル/円急落は、米金利低下や日本株急落で説明できる範囲を超えるものでした。
ヘッジファンドなどの取引を反映しているとされるCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、7月初めには12万枚近くまで売り越しが拡大していました(図表4参照)。これは、米ドル買い・円売りの「行き過ぎ」懸念が強くなっていることを示すものでした。
以上のように見ると、米金利低下や日本株急落をきっかけに、行き過ぎた米ドル買い・円売りの修正が広がったことが、この米ドル/円急落をもたらしたと考えることができます。
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