テレビ画面での動画・映像配信サービス利用は増加傾向
固定インターネット回線の利用内容をみると、「動画・映像サービスの視聴/投稿」は3年前の調査(2020年2月発表)の53%から年々増加傾向にあったが、本調査では昨年と横ばいの59%にとどまった。昨秋からの行動制限の緩和や全国旅行支援の再開により、巣ごもり需要が一巡したことを背景に、動画サービスの増勢が一服した様子がうかがえる。
一方で、昨今のスマートテレビやストリーミングデバイスの利用拡大を背景に、テレビ画面での動画配信サービス視聴は増加傾向にある。固定インターネット回線に接続している機器をみると、「テレビ」は約4割にものぼり、2020年調査の29%より10ポイント以上増加していることが確認できた。
視聴のタイミングやコンテンツを自分で選べることから、これまではスマートフォンやタブレット端末、パソコンで動画・映像サービスを視聴されることが多かったが、テレビ画面での視聴が進んでいることがうかがえた。
動画・映像サービス利用者は多面的かつ高品質なサービスを期待
本調査では固定インターネット回線サービスに今後期待するサービスについても聴取しているが、動画・映像サービス利用者は市場全体より総じて固定インターネット回線サービスに対しての期待値が高い傾向にある。
料金面では、「長期契約者向けの特別サービスや特典の提供/拡充」、「利用実績に応じたポイントサービス/プログラムの拡充」が市場全体より多く挙がっていた。通信面では、「より高性能な無線LAN(Wi-Fi)ルーターの提供/交換」が市場全体より求める声が強かった。
動画や映像サービス利用者は、長期利用特典といった提供サービスや、ポイントサービスといった料金面に加えて、安定的な通信品質の提供を事業者に求める傾向が強いことがうかがえた。
動画・映像サービス利用者のCS向上には通信品質の向上がカギ
顧客満足度をみると、動画・映像サービス利用者は市場全体に比べ、通信品質関連の評価についての満足度の振れ幅が大きいという特徴が確認できる。
具体的には、品質面で「時間帯によって速度が遅くなったり、接続が安定しないことがある」といったような使いづらさを週に1回以上感じると、通信品質に対する満足度が市場全体(-181ポイント)よりも大きく(-195ポイント)低下してしまうが、そのような経験がまったくない場合、通信品質の満足度が市場全体(+85ポイント)より大きく(+98ポイント)向上することがわかった。
動画・映像サービス利用者は通信品質に対する期待値も高く視聴時間が長い傾向にあることから、品質面の優劣を感じやすく、その分、通信品質の評価への影響が大きいと考えられる。
今後も動画サービスはじめ高速度・高負荷サービスの利用は増え、自宅内でインターネットに接続する機器の数も増えていくことが予想される。このようなニーズや期待を持つ顧客の維持継続を図るために、各事業者は安定的な品質の提供や、顧客への最新のWi-Fiルーターの提供(交換)などがますます求められるだろう。
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