(※写真はイメージです/PIXTA)

昨今は副業も当たり前の世の中です。複数の収入源を持つことは生活を豊かにし、ビジネススキルの向上にもつながり一挙両得です。とはいえ、所属企業で著作権の絡む事案は注意が必要です。そこで、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、副業と本業の線引きで注意すべき法的ポイントについて、浅川有三弁護士に解説していただきました。

個人の創作活動のキャラが企業キャラに抜擢された

相談者のkk1130さん(仮名)は、 企業に所属するグラフィックデザイナー兼イラストレーターとして活躍しています。副業でも自分でデザインをしたり、絵を描いたり創作活動をしています。

 

ある時、所属企業の案件で、制作をしていく中で、自分で作ったキャラクターを取り入れてしまいました。しかも、それがたまたま気に入られ、他社の企業キャラクターに抜擢されたのです。

 

他社側は企業キャラクターを取り扱うのは初めてで、著作権の扱いについて不慣れで、契約書などは交わさず、商標登録もまだという状況です。相談者の会社も著作権については精通しているとは言えない状況です。

 

相談者としては、副業で描いている創作物が少なからず抜擢された企業キャラクターに似ており、著作権を渡してしまうと自分の創作活動に支障が出てくるのではと懸念しています。

 

希望は、

 

「抜擢されたキャラクターに関しては自由に描きたい」

 

「自由に描くことでお互いの会社にメリットがある」

 

との考えです。

 

相談者は、ゆくゆくは今の会社を辞め、フリーになるか転職を考えています。そこで、相談者のkk1130さんは、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。

 

(1)現在の曖昧な状態では、著作権はどんな扱いになるのか。

(2)自分がつくったキャラクターであることは公言したい。今後の自分の創作活動を有利にするためには、会社とどんな契約を交わせば良いのか。

著作権は誰のもの?

著作権とは、イラストや小説、音楽などの創作者である、著作者に対して与えられている権利です。著作権を認めることで、創作者の努力や工夫を保護し、文化の発展に寄与することを目的としています。

 

そのため、権利を譲渡しない限り、著作権は著作者が有しています。

 

もっとも、ゲームや映画はもちろん、音楽や小説などであっても、複数人が携わって制作されることも多く、特に会社で制作された著作物については、多くの従業員の創意工夫によって制作されているため、従業員のだれが著作者であるかがわからないと著作物の円滑な利用ができない恐れがあります。

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