「評価制度」は円滑な組織運営の“道具の1つ”
そもそも評価制度を作る目的とはなんでしょうか。
社員の処遇を決める、社員の育成を促進する、社員を適切に配置するなど、人によってさまざまな捉え方がありますが、大切なことは組織のために評価制度があるのであって、評価制度は組織運営における道具の1つだということです。
では、会社組織はなんのためにあるのかというと、それは、1人では達成できない目標を達成するためにあります。1人では達成できない目標を複数の人間で分業し、分業して出した成果を調整・統合し、組織としての成果とすることが、組織が存在する理由です。
組織を「分業と調整」という観点からみたとき、評価制度とは、調整の1手段であることがわかります。
会社を創業した当初、社員が少ないときは、社長がすべての社員の動きを把握できるので、調整としての評価制度の必要性は高くありません。実際には、明確な評価制度がなく、社長の独断と偏見で社員の処遇を決めている会社のほうが世の中には多いように感じます。
しかし、会社が成長し、社員の数が増えてくると、社長がすべての社員の動きを把握することが困難になり、社員が別々の方向を向き出します。このような事態を解消するため、評価制度を使って、社長が社員に向かって欲しい方向と、社員が向かいたい方向を合わせていくことが求められるのです。
にもかかわらず、社員から見た制度の納得度や公平性を担保しようとするあまり、逆に社員の動きをばらばらにしてしまうような制度は、本来の目的から大きく外れたものといわざるを得ません。
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