(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍により、採用や雇用のあり方に大きな変革が求められています。リファラル採用には、転職潜在優秀層の獲得や採用ミスマッチの低減、採用コストの大幅削減といった多くのメリットがあります。「リファラル採用」を提唱する鈴木貴史氏が著書『人材獲得競争時代の戦わない採用「リファラル採用」のすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

どの企業にも有効なリファラル採用とは?

▶どんな会社でも成功するのか?

 

リファラル採用は行わない理由がないほど、企業価値向上においてメリットが多い施策だと感じたかもしれません。同時に、「名だたる有名企業だから効果が出るけれど、我社ではあまり意味がないのでは……」「うちはそもそもエンゲージメントが高くないから、社員が紹介してくれないのではないか……」と懸念を感じた方もいらっしゃるかもしれません。

 

安心してください。リファラル採用はどんな会社でも実践できます。

 

リファラル採用は業種・領域・規模に関係なく、どの企業にも有効な採用手法です。

 

当社のサービス導入企業は2022年時点で800社を超え、従業員数5名の中小企業から1万名を超える大手企業まで活用されています。

 

業種割合でも偏りはなく、IT・WEBが21%、メーカー・商社が18%、外食小売りが13%、人材業界が11%、医療・福祉が11%、不動産・建築が9%と、多様な企業に活用していただいています。

 

また、飲食店のアルバイト・パートの募集から介護職、高度AI人材といった専門職の募集まで、あらゆる職種の採用に使われていることも特徴です。

 

こうした実情からいえることは、「うちの会社ではリファラル採用はできない」ということはあり得ないということです。

 

繰り返しますが、すべての会社において、リファラル採用は有効な手段なのです。多様な企業のリファラル採用事例を紹介していきます。そちらもぜひ参考にしてください。補足としていえることとすれば、業種や領域、規模によって効果的な推進方法や得られるメリットが異なるという点です。端的に事例を交えて見てみましょう。

 

■従業員数1万名超えの製造業がつながりからAI人材を採用

 

1万名を超える大手企業の場合を考えてみます。昨今の20〜30代はSNS上で平均300人の友人・知人とつながっているというデータがあるので、理論上は1万名×300人=300万人の転職潜在層にアプローチができるということになります。

 

富士通は、製造業からソフトウェア業に事業構造を変革していくなかで、優秀なソフトウェア人材の獲得がキャリア採用の命題になりました。しかし、ニッチな専門スキルのある人材の獲得は求人広告だけでは難しい。そこで従業員3万4千名の人脈をフル活用して、市場にいる約1,000万人の転職潜在層にアプローチをしていきました。

 

その結果、従業員の大学時代の研究室のつながりから、求人広告や人材紹介では出会えないようなAI人材の獲得を果たしています。

 

また、大手の企業の場合は、優秀人材の採用に加えて、大幅な採用コストの削減にもつながるというメリットもあります。

 

■中小SIerがコンサルファームに勝つ

 

続いて、中小IT企業に目を向けてみましょう。中小企業においては、そもそも「広告掲載によるPRだけでは人が集まらない」といった課題を抱えていることが多いです。受託開発を主に扱う二次受けのシステムインデグレーター(SIer)では、Javaを使えるエンジニアを採用したいと思った時に、その競合となるのが大手のコンサルファームや大手プライムベンダー、または社内SEなどを募集する事業会社などになります。そのなかから、求人広告の条件だけで振り向いてもらうことは至難の業でしょう。

 

そこで、リファラル採用を通じて、差別化を図っていくことが求められます。例えば、自社の受託案件のなかにすごく魅力的なAIの技術が身につく業務がある、といったことは口コミでしか伝えられない情報でしょう。

 

採用候補者が集まりづらく、広告では差別化が図れない企業こそ、リファラル採用で最も大きな恩恵を得られる企業であるともいえるのです。

 

■誰もが知るファストフードチェーンが離職率1/4に

 

リファラル採用を推進することで離職率を下げられ、エンゲージメントも高まるという効果もあります。飲食店のアルバイトスタッフは、年間での平均離職率が50%程度だといわれています。

 

一方で、アルバイトスタッフの募集にリファラル採用を導入したモスストアカンパニーでは、リファラル採用経由での入社者の1年以内離職率が12.5%にとどまっています。

 

■飲食店がリファラル採用で売上増加

 

さらに、東京レストランツファクトリーでは、リファラル採用の比率が高い店舗のほうが売上も高いという相関も生まれています。これは、「気の合う仲間と働いていきたい」という思いから仲間集めをし、友人・知人の比率が高い店舗のエンゲージメントが向上、それが業績につながった事例だといえるでしょう。ミスマッチを防いでエンゲージメントを高める点も、企業の競争優位につながっていくリファラル採用のメリットだといえるのです。

 

以上のとおり、リファラル採用はすべての業界・採用領域においてメリットがある手法です。

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※本連載は鈴木貴史氏の著書『人材獲得競争時代の戦わない採用「リファラル採用」のすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

人材獲得競争時代の戦わない採用「リファラル採用」のすべて

人材獲得競争時代の戦わない採用「リファラル採用」のすべて

鈴木 貴史

日本能率協会マネジメントセンター

時は大人材獲得競争時代。 経営者、人事担当者、現場の責任者など、採用に関わる人は日々熾烈な人材獲得合戦に巻き込まれています。競合他社と戦い、市場と戦い、時間と戦い、費用と戦い、従来の採用手法の延長に安息の地はあ…

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