(※写真はイメージです/PIXTA)

65歳から平均余命の約20年間で6万時間の自由な時間があるといいます。つまり、効率や生産性、ノルマや期限から解放された自分でコントロール可能な自由な時間です。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『「65歳の壁」を乗り越える最高の時間の使い方』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

定年後はゆったりとした時間を過ごす

■自分で時間をコントロールできるのが定年後の強み

 

定年になれば、自由な時間が増えます。

 

この時間は言うまでもなく、みなさん自身のもの。現役時代のように、周囲の都合に考えをめぐらせることなく、自分の時間は自分で使うべきです。

 

しかし何もかもやらなくていいとも言えません。

 

みなさんが、やりたいと思ってきたことをやるために、やったほうがいいことはあります。今はやりたいことがないとしても、何もしないでいれば気力も体力も衰えていき、いざやりたいことができた際に動けなくなってしまいます。

 

定年後にも、時間をうまく使っていく必要はありますし、手帳は大いに活用できます。

 

そこでみなさんに65歳の壁を乗り越えていく時間の使い方を紹介していきます。

 

まず前提として、お伝えしておきたいのは、65歳からの時間は自分でコントロールできるということです。

 

つまり、効率や生産性からは解放されてもいいということ。

 

現役時代には、他人から課せられていたノルマや期限がありました。

 

ですから短時間でいかに効率を上げるかという視点は欠かせませんでした。そのための時間の使い方がありましたし、私も受験勉強法の本など、多くの場所で紹介してきました。

 

しかし、定年後はゆったりとした時間を過ごしていくことを楽しんでほしいものです。

 

■時間に追われるのではなく、予定を楽しもう

 

年をとると、できなくなったことに意識が向いてしまいがちです。

 

「昔なら、1時間でできたことが、今は3時間もかかってしまう……」

 

でも、この類いの話はそもそも現役時代だった、40代や50代の頃にも感じていたはずです。集中力を保ちづらくなったり、残業の時間帯に効率が落ちるといった話は、中年にもなれば、誰にだってあります。そして、きっとそのたびに、自分なりの工夫をして、定年まで乗り切ってきたことと思います。以前より時間がかかるようになったからって、悲観する必要もありません。

 

1時間の予定が3時間かかったって、誰にも迷惑がかかりませんし、ご自身が困るということもありません。

 

さらに言えば、時間がかかるからと言って、今までやっていた趣味や生活習慣を辞めてしまうなど、もってのほかでしょう。

 

時間がかかったり、上手くできなくなったりしても、自分にできることをやり続けましょう。それによって、残された能力を保つことができます。

 

もしもやめてしまえば、残されていたはずの能力を維持することもできなくなってきます。

 

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※本連載は和田秀樹氏の著書『「65歳の壁」を乗り越える最高の時間の使い方』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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