(※写真はイメージです/PIXTA)

定年になれば、時間ができます。勤め先を離れて、上司も部下も、取引先もいません。ノルマも期限もありません。圧倒的な自由があります。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『「65歳の壁」を乗り越える最高の時間の使い方』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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高齢者になっても恋愛を楽しむ

■「現役時代のような無理をしたくない」人へ

 

人と会うことが大事だと言いましたが、一方で、人付き合いは「諸刃の剣」です。

 

やはり誰にでも馬の合わない人はいるものでしょう。

 

「あの人とは考え方が合わないんだよな」
「食事をしていても面白くない」
「自分の話ばかりして、こちらの話を聞いてくれない」

 

その理由はさまざまですが、このような、ご自身にとって嫌な相手と付き合う必要はありません。人間関係を見直したほうが良いでしょう。

 

付き合う人が多ければいいというものでもありません。昔からの付き合いだったとしても面倒であれば離れてしまって、新しい交友関係を広げるほうが気楽なことが多いでしょう。

 

第一、65歳にもなってくれば、自然と嫌な付き合いからは解放されていくものです。

 

定年になって良い点は、現役世代のように、馬の合わない人とつき合う必要がないということです。

 

好きな相手や気の合う仲間とだけ交流すれば十分。わざわざ嫌な相手と会っていては、人付き合いが苦行のようになり、外出がおっくうになっていきます。

 

また私は、高齢者になっても恋愛を楽しめることが若さの秘訣だと思っています。

 

日本人は高齢者の恋愛に対して「年甲斐もなくみっともない」とネガティブにとらえられがちです。ましてや、高齢者の性欲はタブーと考える風潮があります。

 

しかし、恋愛感情は、心だけでなく、体も脳も元気にします。誰かに恋をしているときのことを思い返してもらえれば、相手の言動に一喜一憂しながら駆け引きをしているときや、成就して両想いになってからの毎日は、なんとも激しく心の動くものだと、わかってもらえるはずです。

 

恋愛中は幸福感や高揚感、安心、意欲、快感といったポジティブな感情を引き起こす神経伝達物質が大量に分泌されることがわかっています。

 

さらに恋愛は当然ながら、男女とも、性ホルモンの分泌を活性化させます。

 

結婚している人にとってはパートナー以外との恋愛は難しいことでしょう。ですが、誰かのことを「いいな」と思うときめきは大切にしてほしいと思っています。

 

現実的な恋愛でなくてもいいのです。アイドルや俳優などへの疑似恋愛でも、前頭葉は活性化します。

 

同じように性欲も恥ずかしいことではありません。性欲があるうちは抑える必要はないと思います。

 

もちろん人に迷惑をかけたり、強要したり、犯罪行為に走らないことは大前提。そのうえで高齢者こそ、自分の中にある、これらの気持ちを大切にしてみてはいかがでしょうか。

 

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    ※本連載は和田秀樹氏の著書『「65歳の壁」を乗り越える最高の時間の使い方』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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