(※写真はイメージです/PIXTA)

認知症を発症するということは「法的な死」を意味することをご存じですか? 認知症が進むと、重要な法律行為ができなくなるからです。認知症を患うと「財産凍結」により家族でも預金が引き出せなくなります。さらに、実家も売れない、贈与もできないという事態に陥ります。では、どのような事前対策ができるでしょうか? 税理士向けに相続の講演なども行う税理士・牧口晴一氏の著書「日本一シンプルな相続対策」(ワニブックス)より一部抜粋し、分かりやすく解説します。

手続きは期限を過ぎても、故意でなければ大丈夫!

(2)葬儀後…10日前後 相続手続きが同時に進められ時間短縮できる

戸籍謄本は早過ぎると死亡が反映されませんから、通常は10日たってから取り寄せます。戸籍書類を取り寄せたら「法定相続情報証明制度」を利用することをお勧めします。

 

取り寄せた戸籍書類は分厚くなるものです。何千円にもなることもあるので、通常は1通取り寄せ、銀行口座の名義変更も何行もあると、その都度提出して、返却を待って次の銀行…となって面倒です。

 

そんなときに、最初の1セットを取得したら、法定相続人の関係図を作って、これを法務局に提出すると(税理士等の専門家に依頼することもできます)、確認のうえ、証明書としての相続人の一覧表を何通でも無料で作ってくれます。

 

すると、銀行の他にも、相続税の申告にも、登記変更の法務局にも、証明書の1枚を添付するだけOKなのです。

・ この制度は、戸籍の束に代替し得るオプションを追加するものであり、これまでどおり 戸籍の束で相続手続きを行うことを妨げるものではない。 ・放棄や遺産分割協議の書類は別途必要
各種の相続手続きへの利用
(戸籍の束の代わりに各種手続において提出することが可能に)
・ この制度は、戸籍の束に代替し得るオプションを追加するものであり、これまでどおり
戸籍の束で相続手続きを行うことを妨げるものではない。
・放棄や遺産分割協議の書類は別途必要
 

遅れてもほとんどは罰金もないから大丈夫!

葬儀を終えて香典返しも一段落つくと、急に葬儀屋さんのフォローがなくなるので、放り出されたかのようになり、何をしたらいいのか迷うことがあります。

 

しかし、下の表の役所の窓口で説明を聞きながらやればよいことです。選択にそんなに迷うこともあまりありません。ぼちぼちやりましょう。

 

たとえば、年金の受け取りについて、遺族年金の方が大きくなるのか、などのメリットもほとんどが窓口で聞けば無料で教えてくれて解決できます。金額に天と地ほどの差がでることもありません。

 

サラリーマンの方は、平日の昼休みにでも電話を活用して下調べして、最終処理として平日に休みをとって手続きをします。

 

(何年も故意に知らせず不正受給の事件になったことはあります) 還付になるものは、相続税申告に必要になるので、時効に関係なく早めの手続きが必要です。
申告は期限を過ぎても悪質でなければ罰金なし! (何年も故意に知らせず不正受給の事件になったことはあります)
還付になるものは、相続税申告に必要になるので、時効に関係なく早めの手続きが必要です。

 

牧口 晴一

税理士

行政書士

法務大臣認証事業承継ADR調停補佐人

 

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※ 本連載は、牧口 晴一氏の著書『日本一シンプルな相続対策』(ワニブックス)から一部を抜粋し、再構成したものです

日本一シンプルな相続対策

日本一シンプルな相続対策

牧口 晴一

ワニブックス

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