(※写真はイメージです/PIXTA)

認知症を発症するということは「法的な死」を意味することをご存じですか? 認知症が進むと、重要な法律行為ができなくなるからです。認知症を患うと「財産凍結」により家族でも預金が引き出せなくなります。さらに、実家も売れない、贈与もできないという事態に陥ります。では、どのような事前対策ができるでしょうか? 税理士向けに相続の講演なども行う税理士・牧口晴一氏の著書「日本一シンプルな相続対策」(ワニブックス)より一部抜粋し、分かりやすく解説します。

介護費用・入居一時金は年金でまかなえない

相続は生と死の二元論で考えてはいけません。オーバーラップするのです。それは2,500年前のブッダの「生老病死」の悩みからも明らかです。

 

突然死を除けば、生老病死の4段階で進行します。それが、医療の発展で死に至る過程が長期化して、「法的な死」との間に10年間のズレを生じさせました。

 

「親が死んで財産を分けるとき、兄弟のあいだでもめたくない!」。皆そう思います。

 

その対策として「親に遺言書を書いてもらおう!」という話も聞きます。しかし、それでは生と死の二元論です。その間に「老と病」があるのです。

 

その間、親には豊かな老後を送ってもらいたい。できるだけ苦痛少なく。

 

つまり「相続対策」や「終活」以前の「老い支度」こそが必要なのです。

介護費用は月平均11.8万円

老いを生きるための年金収入の平均額をご存じですか?

 

国民年金は月額約5万円、厚生年金は月額約14万円が平均です(出典:厚労省「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」)。

 

これが年々厳しい年金財政のために、減る傾向であることもご存じの通りです。

 

これに対して介護費用は、施設介護の場合で、月額平均11.8万円ですです。

 

しかも最も多い分布の人数になるのは月額15万円以上です(生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(平成30年)」)。

 

他に衣食住の費用も要りますから、多くのケースで年金だけでは不足です。

 

さらに、この調査によると、介護期間の平均は、4年7か月(54.5か月)です。

 

つまり、安く見積もっても、月額11.8万円×54.5か月=643万円。両親共なら倍とはならなくとも相当な負担です。

 

別の調査では、介護に手間のかかる認知症では、月額段階からは約2倍、25万円とも試算されています。

 

ここでも認知症の、資金面での恐ろしさがみえます。

 

ここでは、介護保険の詳細にまでは踏み込みませんが、こちらも負担額の増加は間違いありません。

次ページ介護費用に加え、更なる難関「老人ホームの入居一時金」

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    ※ 本連載は、牧口 晴一氏の著書『日本一シンプルな相続対策』(ワニブックス)から一部を抜粋し、再構成したものです

    日本一シンプルな相続対策

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    牧口 晴一

    ワニブックス

    普通の家庭にある日、突然に悲劇が訪れる! 認知症という「法的な死」があるのをご存じですか? 認知症になると「財産凍結」で家族でも預金は引き出せず、実家も売れない、贈与もできない……やがて遺言書も書けなくなる。 …

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