(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資に興味があるものの、自分の年収で始められるのか疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。不動産投資は、長期的な投資であるため、年収を加味した収支計画を立てる必要があります。

そこで本記事では、不動産投資を始めるために必要な年収や、収入に応じた物件の種類を解説します。年収に不安のある方が不動産投資を始める方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

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不動産投資を始めるのに必要な年収

不動産投資に必要な年収は、一般的に700万円といわれています。しかし、多くの金融機関では借入条件としての年収を明示していないため、目安として考えましょう。

 

なかには年収700万円未満で借入可能な銀行も存在しますが、年収300〜400万円の場合は、融資を受けられる金融機関が少なくなると考えられます。ローンが否認された際には、不動産会社と相談して他の金融機関に打診するのも方法のひとつです。

 

なお、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」が投資家935名に実施した調査では、年収500~700万円の人が全体の約20%、700~1,000万円の人が約19%という結果が出ています(健美家『第17回不動産投資に関する意識調査』)。

不動産投資ローンにおいて年収以外に見られる項目

不動産投資ローンの融資条件は、申し込みをする方や物件によって異なります。本項では、年収以外に見られている項目を「個人の属性」と「投資物件の収益性」に分けて紹介します。

 

■個人の属性

個人の属性とは、返済能力に影響するような要素を指し、信用度を測る上で重要視されています。具体的には、年収以外にも以下のような項目がチェックされます。

 

●勤務先

●勤続年数

●家族構成

●既存借入額

●自己資金の割合

●過去の滞納履歴

 

年収の高い方でも勤続年数の短さや、ほかの借入によってローンを組めないこともあります。年収だけでなく総合力で審査されていると考えましょう。

 

■投資物件の収益性

不動産投資では家賃収入によってローンを返済するため、年収だけでなく物件の収益性も審査されます。具体的にチェックされるのは、以下のような項目です。

 

●立地

●構造

●築年数

●利回り

 

たとえば立地が良く築年数の浅い物件であれば、空室リスクは低く、収益が安定しやすいと考えられるでしょう。また、物件の構造や築年数をもとにローンの返済期間が決定される場合もあります。

年収別の投資対象

不動産投資ローンの審査項目をお伝えしたところで、本項では具体的な投資先を以下の年収別に紹介します。

 

●年収500万円:区分マンション

●年収800万円:一棟アパート

●年収1,000万円:一棟アパート・一棟マンション

 

不動産投資ローンの借入可能額は、一般的に年収の6〜10倍とされていますが、先述のとおり、個人の属性や物件の収益性よって異なります。ここでは、平均的な年収倍率といわれる8倍を想定しています。

 

■年収500万円:区分マンション

年収500万円の場合、借入可能な金額は約4,000万円です。区分マンションが主な投資先になるでしょう。

 

健美家の調査によると、2021年の区分マンション価格は平均1,533万円です(不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家〔けんびや〕『収益物件 市場動向 年間レポート 2021年』)。

 

しかし、都心の新築マンションや有名ブランドマンションは1R〜1LDKでも4,000万円を超える物件があるため、都心で探す際には中古マンションも含めて検討しましょう。

 

■年収800万円:一棟アパート

年収800万円の場合、借入金額は約6,400万円です。区分マンションだけでなく、一棟アパートへの投資も検討できます。

 

2021年における一棟アパートの価格は平均6,977万円です(不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家〔けんびや〕『収益物件 市場動向 年間レポート 2021年』)。

 

1割ほど自己資金を入れることによって、平均的な一棟アパートへの投資が可能になります。エリアによっては価格を抑えられるため、ローンだけでも購入できるでしょう。

 

■年収1,000万円:一棟アパート・一棟マンション

年収1,000万円の場合、借入金額は約8,000万円です。区分マンションや一棟アパートへ投資するには十分な予算といえます。

 

健美家の調査によると、2021年の一棟マンションの価格は平均16,312万円です(不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家〔けんびや〕『収益物件 市場動向 年間レポート 2021年』)。平均価格だけを見ると、一棟マンションへの投資は難しそうに見えますが、エリアや築年数、建物の規模によっては1億円未満の物件も数多くあります。

 

また、一棟アパートや一棟マンションに投資するのではなく、複数の区分マンションに投資してリスクを分散させるのも有効な方法です。

年収に不安がある方が不動産投資を始めるには

前項では具体的な投資先を年収別に紹介しましたが、本項では年収に不安がある方が不動産投資を始める方法を2つ紹介します。

 

①日本政策金融公庫から借りる

民間の金融機関でローンを組むのが難しい場合は、日本政策金融公庫からの借入を検討しましょう。日本政策金融公庫は政府系の金融機関で創業融資もあり、不動産経営の実績がない人も借りられる可能性があります。

 

しかし、不動産投資ローンではなく事業資金としての融資のため、社会的意義や事業性が重視されます。好条件での借入が期待できますが、事業計画書の作成を求められるなど、借りる難易度が低いわけではありません。

 

②少額不動産投資をする

不動産投資ローンを組むのが難しい方は、少額不動産投資を検討しましょう。少額不動産投資とは、複数の投資家から資金を募って不動産に投資するもので、1人あたりの投資金額が小さい点が特徴です【図表】。

 

出所:OWNERS.COM
【図表】投資の種類と最低投資価格 出所:OWNERS.COM

 

少額不動産投資は物件に担保設定をできないため、ローンを利用できません。しかし、自己資金の範囲で投資できるので「まずは少ない負担で始めてみたい」と考えている方におすすめの投資方法です。

まとめ

不動産投資に必要な年収は、一般的に700万円といわれていますが、あくまでも目安です。購入する方の属性や物件、借入金利によってローンを組める金額は異なります。

 

平均的な物件価格から考えると、年収別の投資先は以下のとおりです。

 

●年収500万円:区分マンション

●年収800万円:一棟アパート

●年収1,000万円:一棟アパート・一棟マンション

 

不動産投資は少額からでも始められるため、自分の年収に合った投資先を考えてみるとよいでしょう。

 

 

執筆:岡﨑 渉

Webライター

国立大学卒業後、新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。現在はフリーランスのWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。宅地建物取引士の資格を保有。

 

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監修:悠木 まちゃ

ライター・編集者

宅建士・FP3級の資格保有。国立校の建築学科を卒業後、ハウスメーカーに勤務し、営業・設計職を担当。新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの設計などを手掛ける。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動。実務経験を活かし、不動産・金融系の分野を中心に記事執筆から編集まで行う。多数の企業メディアで編集を担当するほか、ライター向けオンラインサロンの添削講師としても活動している。

 

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    ※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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