(※写真はイメージです/PIXTA)

安定した収入が見込めるサラリーマンは、不動産投資に向いています。ただ「不動産投資を始める前に、具体的なメリットと考えられるデメリットを知りたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、サラリーマンに不動産投資をオススメする理由と、投資前に見るべきポイントを解説します。これから不動産投資を始めたいという方は、不安を解消するためにも、ぜひ参考にしてください。

サラリーマンに不動産投資がオススメな理由

サラリーマンに不動産投資をオススメする理由としては、主に以下の4つがあります。

 

1. 融資を受けやすい

2. 本業と両立しやすい

3. 節税効果が見込める

4. インフレリスクに備えられる

 

それぞれ詳しく解説していきます。

 

【①融資を受けやすい】

安定した給与収入が見込めるサラリーマンは、不動産投資ローンの審査に通りやすい傾向があります。審査に通りやすい理由としては、突然収入がなくなり、貸し倒れとなってしまうリスクが少ないことが挙げられます。

 

ただし、保険や不動産の営業などで採用されるフルコミッション(完全歩合)制の報酬体系の場合は、融資審査が不利になるケースがあることを認識しておきましょう。また、審査では、収入以外の勤続年数や勤務先などの情報から総合的に判断されることが多く、金融機関によって重視している項目が異なります。

 

【②本業と両立しやすい】

労働に対して報酬を得る働き方とは異なり、入居者がいれば家賃収入を得られる不動産投資は、ほかの副業に比べて時間を取られにくい特徴があります。物件管理や入居者対応を管理会社に委託すれば、本業が忙しい時期でも無理なく両立できます。

 

不動産投資は「実労働をせずに副収入を得たい」といったサラリーマンにオススメの副業といえるでしょう。

 

【③節税効果が見込める】

不動産投資で赤字となった場合に、本業収入と合算する「損益通算」を用いて確定申告すると、節税効果が見込めるケースがあります。

 

なお、不動産収入が黒字の状態でも、減価償却によって節税できる可能性があります。減価償却とは、要件を満たした資産を一定期間に配分して経費計上できる制度です。現金一括購入した場合には実際の支出がない状態で経費計上でき、ローンでも年間支払金額より多くの経費を計上できるケースがあるので、高い節税効果を実感できるでしょう。

 

しかし、キャッシュフローがマイナスになると、節税効果より負担金額が上回ってしまう可能性があります。不動産投資は節税目的で始めるのではなく、あくまでも投資対象として適しているかを判断しましょう。

 

【④インフレリスクに備えられる】

サラリーマンの給与は役職や勤続年数によって決定されることが多く、インフレに連動していない会社がほとんどです。そのため、急激なインフレが起きた際に、物価が上昇しているにもかかわらず、給与が上がることは期待できない状態となってしまいます。

 

そんな中、不動産投資をしていれば、賃料を上げたり物件売却で現金を得たりしてインフレに対応することができます。ただし、入居者がいる場合やローンが残っている状態など、状況によって取れる対策が限られる点には注意してください。

 

サラリーマンとしての収入のみに頼ることへ不安を感じる方は、不動産投資を始めるのも手段の一つとして検討してみるとよいでしょう。

サラリーマンが不動産投資をする際に見るべきポイント

不動産投資はサラリーマンにオススメな投資方法である一方、正しい知識を知らなければ、大きな失敗をしてしまう可能性もあります。ここでは、不動産投資を始める前に見るべきポイントを3つ解説します。

 

■ポイント①物件の購入価格が相場とかけ離れていないか?

不動産の相場価格とかけ離れた物件を購入すると、投資金額の回収が遅れてしまうため、金利上昇や値下がりリスクが高まってしまいます。また、購入金額が大きければ不動産投資ローンの審査も厳しくなり、そもそも物件購入ができない状況も考えられます。

 

不動産投資を始める際は、物件種別と地域ごとの相場を知ることが重要です。信頼できる不動産会社からアドバイスを受けられれば、よりスムーズに物件を購入できるでしょう。

 

■ポイント②キャッシュフローがプラスになっているか?

キャッシュフローがマイナスになる物件を購入すると、投資期間が長くなるほど赤字が膨らんでしまいます。不動産投資の赤字を本業収入で補填するような状況に陥らないためにも、キャッシュフローがプラスになっていることを必ず確認しておきましょう。

 

なお、キャッシュフローを見る際は、空室リスクや修繕費用、管理費用などを考慮している数値であるかを確認しなければなりません。不動産仲介会社のなかには、空室率が高いアパートを「満室」と想定した利回りを掲載しているケースもあります。

 

キャッシュフローの計算が正確に行われていなければ、想定していた投資成果と大きく離れてしまう原因となります。実情にあわせたキャッシュフローを計算するためにも、不動産投資への最低限の知識を持っておきましょう。

 

■ポイント③不動産投資は「出口戦略」も重要

不動産投資を始める際は、「運用終了後に物件を売却するか否か、売る場合はいくらで販売するか」といった出口戦略を考えておくことが重要です。

 

物件種別や築年数、エリアによっては、相場より安く売却しなければならないケースもあり、これまでの賃料収入を相殺してしまうことも考えられます。また、売却ができずに保有し続けると、固定資産税がかかったり、相続が複雑になったりする懸念もあります。

 

不動産投資を行う際は「最終的に不動産をどうするのか」を考慮した上で物件を購入しましょう。

まとめ

安定した収入があり、副業に時間を割けないサラリーマンには、不動産投資がオススメです。不動産投資を活用すれば、収入を得ながらインフレリスクに備えられ、場合によっては節税効果も見込めます。

 

ただし、不動産投資における正しい知識がなければ、大きな失敗をしてしまう可能性があります。本記事で紹介した「物件の購入価格が相場とかけ離れていないか」や「キャッシュフローがプラスになっているのか」を確認しながら、不動産投資を始めていきましょう。

 

 

執筆:悠木 まちゃ

ライター・編集者

宅建士・FP3級の資格保有。国立校の建築学科を卒業後、ハウスメーカーに勤務し、営業・設計職を担当。新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの設計などを手掛ける。

その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動。実務経験を活かし、不動産・金融系の分野を中心に記事執筆から編集まで行う。多数の企業メディアで編集を担当するほか、ライター向けオンラインサロンの添削講師としても活動している。

 

 

監修:中村 昌弘

Webライター・編集者

株式会社なかむら編集室 代表取締役

1985年生まれ埼玉県出身。立教大学を卒業後、マンションディベロッパーへ入社。その後は人事コンサル系の会社へ転職し、2016年2月に独立。独立と同時にWebライターをはじめる。SEOライティング × セールスライティング × 書籍編集 × サロン(Webライターラボ)運営など、幅広く活動中。

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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