(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資に興味があっても、「まとまった資金がない」「運用が難しくてリスクも高い」といった理由から、あきらめている人は多いのではないでしょうか。なにかとハードルが高いと思われる不動産投資ですが、近年では一口1万円~数百万円の少額から始められる不動産投資として、「REIT(リート)」「不動産小口化商品」「不動産クラウドファンディング」が注目されています。「これなら始められるかもしれない」と思う人もいるでしょう。ただし、少額といえどもリスクのない投資は存在しません。始める前に、それぞれの特徴や違いについて理解しておきましょう。そこで今回は、この3つの少額不動産投資について学んでいきましょう。

「REIT」はリスク分散型不動産投資信託

REITは「Real Estate Investment Trust」の略称からもわかるように、不動産投資信託と呼ばれています。アメリカ発祥の証券化された金融商品で、日本ではJAPANの「J」の頭文字をつけて「J-REIT」と呼ばれています。

 

投資家が証券を購入するという形で集められた資金は、不動産投資のプロが賃貸住宅や商業・物流施設、オフィスビルなど、複数の不動産に投資します。これらの不動産は不動産事業者によって管理・運用され、賃貸や売買などから得た利益が投資家に分配されます。投資家は間接的に複数の不動産オーナーとなりますが、物件の所有権は投資法人もしくは信託銀行となります。また、投資家が投資物件を選ぶことはできません。

 

証券化された不動産の売買は株式投資と似ています。流動性が高く、証券価格の変動が大きいため市場の影響を受けやすいのですが、数万円から始められる分散投資ですので、リスクも分散されます。物件の管理も不動産事業者に任せるため手間がかかりません。また、換金性に優れ、年間120万円までの利益は非課税というのも魅力です。

 

これらのことから、株式投資に慣れている人はREITが始めやすいかもしれません。REITは証券取引所に上場しているため、株式投資と同じような感覚で自由に売買できるからです。リスクが分散されているとはいえ、株式のように値下がりしたり、元本割れしたりすることもありますが、値上がりしたときに売却すれば、高い配当金を受け取ることができます。

「不動産小口化商品」は相続対策にもなる

一口数万〜数百万円単位に小口化された物件に出資することで、不動産のオーナーになれるのが「不動産小口化商品」です。たとえば、2億円の物件を購入するにはハードルが高すぎると感じる投資家は多いでしょう。ところが、小口化して100人で購入すれば、1人当たりの金額は100分の1の200万円です。

 

このように一口の投資金額が少額なため、一般の投資家が購入できないような物件に投資することができます。賃料や売却などの運用益は口数に応じて、不動産事業者から投資家に分配されます。投資家は物件の管理をしなくてもいいため、手間もかかりません。ただし、注意しなければならないのは、「融資が利用できない」「すぐに解約できない」ということです。

 

REITとの大きな違いは、投資した不動産の所有権を獲得できることです。投資金額が高額で、長期間運用することで安定した収益が見込める「任意組合型」なら、通常の不動産投資と同じように財産として評価され、相続税対策にもなります。REITは出資しても不動産を選べませんが、不動産小口化商品は自分で選んだ不動産に投資することができます。現物の不動産投資をしてみたい人や、相続税の対策として不動産投資を考えている人におすすめです。

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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