写真提供:えぬぷらす一級建築士事務所

知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回のテーマは、寒すぎる日本の家を暖かく改修する方法。実はいまが改修の大チャンスだといいます。みていきましょう。

寒い家を暖かい家に変える…「窓の断熱改修」が早道

我が国の住宅をモデルとした試算によれば、52%(図表1)もの暖房エネルギーが窓から逃げているうえ、日本の窓の性能は先進国中で突出して劣っています(関連記事:『日本の住宅「最高等級の窓」でも「海外では最低基準」という衝撃の事実』)。そして、その解決方法として、既存住宅では窓の断熱リノベが有効です(関連記事:『我が家は寒すぎる!が、建て直すほどお金はない…住まいの悩み、専門家によるベストアンサー』)。

 

【図表1】
【図表1】

 

国は、2030年までに温室効果ガスを国全体で46%削減することを国際的に約束しており、特に住宅(家庭部門)については、2013年度比で、なんと66%もの削減を目標にしています。

 

その目標を達成するために、住宅性能についての法制度の改正が立て続けに行われています(関連記事:『日本の住宅の断熱性能、今後大幅に基準が厳しくなる! 国の政策アプローチから探る』)。ただし、新築の着工数が減っており、すでに量的には充足しています。そのような状況下では、既存住宅の省エネ性能を向上しなければ、国が定めている目標達成が困難であることは明らかです。そこで、国は既存住宅の断熱改修の推進に本腰を入れ始めました。

家を暖かくするチャンス!7割超の補助率になる可能性

そうした既存住宅の断熱改修推進の一環として、経産省・環境省が、「先進的窓リノベ事業(住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等)」という既存住宅の窓の断熱改修に対して、非常に手厚い補助事業を開始します。補助率が高いこの制度の活用は、現在の住まいの寒さに悩んでいる方には、家を暖かく改修する大チャンスです。

 

住宅の断熱性能は、省エネや省CO2だけでなく、居住者の健康や快適性とも密接な関係があります(関連記事:『日本の家「寒すぎる脱衣所」…年間“約1.9万人”が亡くなる深刻』)。そうした観点から、欧米の多くの地域では、「最低室温規定」といわれる基準が定められています。また、WHO(世界保健機関)も「住宅と健康に関するガイドライン」(2018年)の中で、健康リスク回避のために「暖かい室内環境」を強く勧告しています。

 

しかし、残念なことに日本では断熱性能に関する基準が極めて緩く、交通事故死者数の7倍以上にも上る1.9万人/年もの方がヒートショックを要因として亡くなっているのが現状です。千載一遇ともいえるこの機会を逃さず、温かく安全で快適な住環境を確保することを検討してはいかがでしょうか。

 

通常の補助金や助成金の制度は、補助率が決まっており、1/3補助程度が一般的です。それに対して、この制度は、窓のサイズとリノベの方法(改修後の断熱性能)による定額補助になっています。たとえば、2.8㎡以上の大きな窓に内窓を設置する場合、補助額は124,000円です。

 

※補助額の上限は1戸あたり200万円、1申請あたりの合計補助額は50,000円以上

 

施工業者によるので一概には言えませんが、この補助額は、補助率7割を超える可能性もありそうです。

 

窓の断熱リノベには、【図表2】のように、次の4つの工事種類があります。今回の制度では、このガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法)、外窓交換(はつり工法)のいずれもが対象になります。

 

【図表2】
【図表2】

 

気を付けていただきたいのは、先進的窓リノベ事業事務局に登録された「窓リノベ事業者」と工事請負契約を締結する必要があることです。窓リノベ事業者に工事を依頼し、契約していただければ、あとは手間いらず。この事業者が補助申請以後の手続きを行ってくれるスキームとなっています。

 

次ページお勧めは「内窓設置」か「外窓交換(カバー工法)」

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