知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回のテーマは、寒すぎる日本の家を暖かく改修する方法。実はいまが改修の大チャンスだといいます。みていきましょう。
空室リスクを減らすためにも、賃貸住宅でも検討したい
賃貸住宅を所有しているオーナーにも、この制度の活用をお勧めしたいと思います。これからも空き家率がまだまだ上がることは間違いなく、賃貸住宅経営において、空室リスクは悩みの種だと思います。
古い賃貸住宅は、「寒い!」という理由で敬遠されがちです。特に最近の若い世代は、高断熱住宅の実家で育った方が増えてきており、古い賃貸住宅に入居して、あまりの寒さに驚くケースが増えてきているようです。窓を高断熱化するだけでも、快適になる上に、冷暖房光熱費の削減につながるので、空室リスクの低減につながります。
急がないとあっという間に予算消化で終了の可能性も
この制度を利用する場合は、【図表6】のように、令和5年12月31日までに工事請負契約を締結するとともに、工事も完了する必要があります。ただし、今までにない非常に高い補助率の制度であるため、あっという間に予算が消化されてしまう可能性が高いと思われますので、早めの検討をお勧めします。
ぜひ、この機会を活かして、冬暖かく夏涼しい、健康・快適・省エネな住まいを実現していただきたいと思います。
住まいるサポート株式会社 代表取締役
一般社団法人日本エネルギーパス協会 広報室長
神奈川県出身。東京大学修士課程(木造建築コース)修了、同大博士課程在学中。千葉大学工学部建築工学科卒。リクルートビル事業部、UG都市建築、三和総合研究所、日本ERIなどで都市計画コンサルティングや省エネ住宅に関する制度設計等に携わった後、2018年に「結露のない健康・快適な住まいづくり」のサポートを行っている住まいるサポート株式会社を起業。日本でトップクラスの性能を誇る工務店・ハウスメーカーを厳選して提携し、消費者に無料で紹介する「高性能な住まいの相談室」や、デザインと高性能を両立する設計を行う建築家のマッチングサービス等を提供。また、横浜市住宅政策課主催のセミナーや毎日新聞社主催のセミナー等、多数のセミナーに登壇、メディアへの出演など、高性能な住まいづくりに関する情報発信に積極的に取り組んでいる。住まいづくりを考えている方々への情報発信を通して、ひとりでも多くの方が、住宅の性能に関する基礎知識を持ち、他の先進国並みに「結露のない健康・快適な家」を普及させることを目標としている。主な著書に、「元気で賢い子どもが育つ! 病気にならない家」(クローバー出版)、「人生の質を向上させるデザイン性×高性能の住まい: 建築家と創る高気密・高断熱住宅」(ゴマブックス)など。
●高性能な住まいの相談室:https://sml-support.com/lp
●建築家と創る高気密・高断熱住宅:https://sml-support.com/archicon
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載人生の質(QOL)が激変!性能にこだわった住まいづくりの知識