東京の半値でマンションが買える
こうした事情を考えると、大阪は今後、ますます活性化すると予想され、実際、地価も堅調に推移しています。しかしながら、それでも東京と比べると手ごろな価格帯にあることが、大阪で不動産投資を行う最大の魅力です。
もちろん、立地や物件のグレードによって違いますが、東京の場合、面積20〜25平方メートルのワンルームマンションは、中古物件でも2500万〜3000万円程度が相場になっています。一方、大阪では同じレベルの物件が東京の半額程度で購入できます。
ところが、ワンルームマンションの家賃相場に関しては、東京が大阪の2倍も高額なわけではありません。ざっくりとした感覚でいえば、大阪では東京の半値で購入したワンルームマンションで、東京とほぼ変わらない家賃収入を得ることができるのです。
毎月6万円程度であっても、安定したキャッシュフロー(家賃収入)が手に入れば、ずいぶん心強いのではないでしょうか。さらに、不動産にかかわる税金についても大阪は東京の半額程度で済むため、その点でも不動産が取得しやすい都市といえます。
「8つ」のリスクがあるワンルームマンション投資
こうして大阪の優位性を数え上げれば、ほかにもまだまだ指摘できるのですが、投資には必ずリスクがともなうことも、しっかりと認識していただかなければなりません。ワンルームマンション投資には、主に次の7つのリスクがあるといわれます。
①空室リスク
②家賃下落リスク
③修繕リスク
④災害リスク
⑤流動性リスク(換金性が低い)
⑥借入リスク(与信枠の減少など)
⑦金利変動リスク
さらに、私は8つ目の隠れリスクも指摘しておきたいと思います。それは、「何もしないリスク」、いやワンルームマンションを「購入しない」というリスクです。
今後、諸物価の高騰が予想されるなかで、インフレに強い実物資産を所有しておくことは、資産防衛の第一歩です。その代表的な資産である不動産は、老後の生活を安定させるうえでも、大変大きな効果を発揮するでしょう。
しかしながら、いま大阪ではワンルームマンションの新規供給数が激減しています。大阪で新たに建築される物件数自体が減っているのです。いわば品薄状態が顕著になりつつあるため、不動産業界では条件のよい物件の奪い合いにも似た状況が生まれています。
実際、新築か中古かを問わず、よい物件が売りに出されたら数分間で売り切れてしまうような売り手市場なのです。そして、この傾向は今後、少なくとも2年以上にわたって続くことが確実視されています。
今後は、大阪でワンルームマンション投資を決断しても、肝心の物件がなくなってしまって「買いたくても買えない」という状況さえ想定されます。ますます「購入しない」という隠れリスクは大きくなっていくでしょう。
毛利 英昭
株式会社リンクス
代表取締役
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