不動産投資のインカムゲインを脅かす「空室リスク」
ワンルームマンション投資のリスクについて、簡単にふれておきます。そもそも、ワンルームマンションなどの不動産投資において、期待される利益は大きく2種類あります。インカムゲインとキャピタルゲインです。
インカムゲイン(income gain)とは、資産を所有していることで得られる利益のことです。一方、資産を売却した際に得られる利益がキャピタルゲイン(capital gain)です。ワンルームマンション投資でいえば、所有する物件の家賃収入がインカムゲインで、その物件の売却益がキャピタルゲインです。
どちらを目的に投資するかは、個人の資産状況や家族構成、年齢、そして資産形成と運用に対する考え方などによって異なりますが、一般的には老後の生活資金や自分が亡くなったあとに残された家族の収入を確保するのが目的であれば、インカムゲインを主眼に置いた投資が多いようです。
しかしながら、ほかの資産運用と同じく、不動産投資においてもインカムゲインが絶対に保証された投資先などありません。どんなに優秀な物件を購入しても、インカムゲインが確保できなくなるリスクが潜んでいます。
その典型が、いわゆる空室リスクです。何らかの理由で入居者がいなくなってしまった場合、家賃収入というインカムゲインが失われてしまうのです。したがって、ワンルームマンション投資においては、入居者が途切れないような人気エリアに物件を所有することが、最大の空室リスク対策となります。
空室リスクが高くなりやすいエリア…ポイントは「大学」
その点で、今後も人口の増加が見込まれ、単身世帯の人気も高い大阪の中心6区と新大阪エリアはめぐまれた条件が整っているといえます。
また、別の観点から眺めても、このエリアが大変有利な条件を備えていることがわかります。大阪市内中心部には大学のキャンパスがほとんどないからです。空室リスクと大学にどんな関係があるのかといぶかしむ方もいると思いますが、ワンルームマンションの家賃相場を見極める際、学生が多いエリアかどうかは重要なポイントになります。
近隣に大学があるエリアでは学生の入居希望者も多いため、家賃の安いアパートや相場より低めに家賃が設定された学生向けのワンルームマンションが競争相手となるからです。また、そうしたエリアでは、あえて近隣の相場よりも低い水準に家賃を設定して、経済的に苦しい学生を助けたいと考えるやさしいオーナーさんが少なくありません。
その義俠心には心から敬服しますが、一方で不動産投資のリターンを考える場合、そうして経済合理性とは異なる要素が混在するエリアでは、低い家賃に引きずられて、エリアの相場そのものが上がりにくいケースも考えられます。
実際、同じ関西の京都市と比較するとわかりやすいのですが、京都大学や同志社大学、立命館大学など、たくさんの大学が街中に点在する京都は学生の街としても知られます。伝統のある街だけに、もともと新築の投資用ワンルームマンションの供給量自体が少ないうえ、学生向けの物件が少なくありません。
さらに、みずからの家賃収入を犠牲にしても、親元を離れて進学してきた地方の学生を支援しようと、相場より数万円も低く家賃を設定しているオーナーさんもいます。こうしたエリアでは、家賃相場が上がりにくく、また学生が動かない時期(閑散期)に空室になった場合は空室期間が長くなるため、どうしても空室リスクが高くなってしまうわけです。
なぜ中心6区と新大阪エリアは「空室リスク」が低いのか?
一方、大阪の中心6区と新大阪エリアでは、若い世代のビジネスパーソンがワンルームマンションの主な入居者となります。もちろん、転勤などによって転出するケースはあるものの、このエリアでは企業が社宅として借り上げるケースが少なくありません。企業との契約であれば家賃の滞納というリスクも低く、たとえ入居者が途切れても、長期にわたる賃貸契約ならインカムゲインが途切れる心配もないわけです。
じつは、大阪の中心6区と新大阪エリアは全国的に見ても法人需要の高い地域で、なかには全戸の半数以上を大手企業1社が社宅として借り上げている物件もあります。
もちろん、このエリアにも専門学校生などの学生が暮らしていますが、インカムゲインを主な目的としてワンルームマンション投資を考える場合、主に若い単身世帯のビジネスパーソンの入居を希望する法人需要は、大きな魅力ではないでしょうか。
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