「2月14日~2月20日のFX投資戦略」のポイント
〈ポイント〉
・日銀人事を巡る思惑で、円相場は不安定な動きが続く
・他方、3日の米雇用統計発表以降「米金利上昇=米ドル高」が広がる
・今週はCPIなど注目の米経済指標発表が相次ぐことから、足元の「米金利上昇=米ドル高」に対する影響に注目。米ドル/円の予想レンジは129~134円と想定
日銀人事思惑で不安定な円相場
先週の米ドル/円は、日銀の次期総裁を巡る思惑で乱高下となりました。週明け早々に、雨宮副総裁が昇格するとの一部報道を受けて、現在の金融緩和路線継続との見方から133円近くまで米ドル高・円安が進みました。
ただ金曜日になると、植田元日銀審議委員が次期総裁に起用されるとの報道が広がり、現在の金融緩和路線が変わることへの警戒感から一時130円割れへ米ドル安・円高に動くところとなりました。
政府は、14日に日銀の新執行部人事を正式に発表するとしていますので、金融政策の変更を巡る思惑から、円相場は不安定な動きがまだ続く可能性はあるでしょう。
ただそういったなかでも、米ドル/円の日足チャートに注目してみると、2022年11月以降続いてきた下落局面のトレンドラインから米ドル高・円安方向へのブレークが明確になってきたように見えます(図表1参照)。
この背景には、3日の米1月雇用統計発表をきっかけに、米金利が総じて上昇傾向となった影響が大きいのではないでしょうか(図表2参照)。
米ドル/円からすると、日銀の新執行部への思惑から不安定な動きが続いている印象が強いですが、他方で年明けから続いてきた米金利の低下が上昇に転じたことで、全体的に米ドル高が広がっているということです。
日米10年債利回り差米ドル優位は先週、年明け早々の水準まで再拡大となりました。この間の関係からすると、米ドル高・円安が135円程度まで戻してもおかしくない金利差の変化といえるでしょう(図表3参照)。
ユーロ/米ドルは、金利差でも独米の10年債利回り差より金融政策の影響を受ける2年債利回り差との相関性の高い状況が続いています。そんな独米2年債利回り差ユーロ劣位は先週、一時年初来の最高を更新するまで拡大しました。
こういったなかで、ユーロ/米ドルも1.07米ドルを大きく割り込み、この間のユーロ安値・米ドル高値を更新するところとなりました(図表4参照)。
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