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税務調査で多額の追徴課税発生も、Aさんが「感謝」したワケ
夫と中華料理店を切り盛りしていたAさん
80歳のAさんはかつて、夫とともに中華料理店を営んでいました。昔はそれなりに繁盛していたものの、数年前から近隣に中華の大手チェーン店が出店したことにより、客足が減少。それからは、ほとんど利益が出ていない状況が続いていました。
3年ほど前、Aさんが77歳のとき、年齢もあって店は閉業。夫婦で相談して店舗を売却しました。その1年後、夫は帰らぬ人に。
それからのAさんは、月約7万円の国民年金と店を売却したときのお金で1人でほそぼそと暮らしていました。
そんな日々が2年ほど続いたある日のこと、税務署から電話がかかってきました。聞けば、「相続税調査に伺いたい」といいます。しかし、Aさんが相続した財産といえば、自宅とお店を売却したときの預金の残りぐらいのもの。
「なんでウチに?」
不思議に思ったAさんでしたが、飲食店を経営しているときに税務調査を受けた経験から「税務署に逆らってもいいことはない」と感じていました。そのため、内心は嫌々ながらも素直に税務調査を受けることにしたそうです。
税務調査の結果「400万円」の追徴課税…しかし、Aさん「ありがとう」のワケ
そして、調査当日。2人の調査官が、Aさんのもとを訪れました。調査は和やかな雑談から始まりましたが、午後になり質問は核心に迫っていきます。
調査官「ご主人の預金通帳を確認しますと、現金をご自宅かどこかに保管されているように思えます。心当たりはありますか?」
Aさん「まさか! そんなお金があったら、こんな質素な暮らしはしませんよ」
調査官「銀行に確認したところ、貸金庫があるようですが」
Aさん「あぁ、でも私は一度も見たことないです。夫からは『家の権利証と家系図を入れている』と聞いていただけなので」
調査官「なるほど。では、恐れ入りますが貸金庫を確認させてください。案内していただけますか?」
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