「ゲーム機を買ってもらった」アメリカの小学校で毎朝行われる「自慢話」…「リスペクト」する心が育つワケ

「ゲーム機を買ってもらった」アメリカの小学校で毎朝行われる「自慢話」…「リスペクト」する心が育つワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

アメリカの小学校で教師に「髪の色が違う。背が低い、高い。太っている。小さい。みな、それぞれ違います。それをリスペクトしてほしい」と言われたそうです。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)で解説します。

スクール最終日クレームをつけた親の意外な言葉

■「出る杭を育てる」

 

八代さんは、日系起業家らでつくるボストン日本商業会(JBBB)の代表として活躍しています。まだ英語がうまく話せなかったころ、貴重な経験をしました。スキーが得意な八代さんがスキーのインストラクターのテストに合格し、スキースクールの初日を迎えた時のことです。

 

3カ月間受け持つことになった子どもの親から「同じお金を払っているのに英語が苦手なインストラクターからレッスンを受けるのはアンフェアだ」とクレームをつけられました。

 

その時、八代さんの上司にあたるスクールの校長はこう言いました。

 

「英語は問題じゃない。スキーの技術、教える技術に問題があるなら来週また来てくれ。文句があるなら担当を代えます」

 

校長は八代さんが後ろにいるのを知らずに、クレームをつけた親にこう話したそうです。

 

つまり、八代さんを気遣って言ったわけではなく、クレームに臆せず、問題は英語ではなくて、スキーインストラクターとしての技術だと、自分の考えを主張したのです。

 

八代さんはクレームをつけた親の子どもを3カ月間、受け持ちました。スクール最終日、親に子どものスキルを見せ、修了証を渡しました。八代さんは親から「後で話がある」と言われます。嫌な予感がしたのですが、逆でした。

 

「うちの会社に来て一緒に仕事をしないか」

 

会社で新設する日本輸出部門のマネージャーにならないかという誘いでした。当初、クレームをつけた親は「言葉の壁を破って仕事をやり抜いた心意気が気に入った」と言ってくれました。

 

八代さんは誘いを受け、その会社で7年間、仕事をしました。

 

どこでどんな縁があるのか、分かりません。

 

「アメリカには頑張った人を引き上げる優しさがあります。出る杭は打て、ではなくて、出る杭は立派に育てよう、という気持ちがあると感じます」

 

八代さんはこう言います。

 

岡田 豊
ジャーナリスト

 

 

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本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す/不可能を可能にする/日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)より一部を抜粋し、再編集したものです。

自考

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岡田 豊

プレジデント社

アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

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