株式譲渡、事業譲渡、会社分割…M&Aにおける「税金対策」をスキームごとに解説 ※画像はイメージです/PIXTA

M&Aを行うと税金の支払いが発生します。スキーム(手法)ごとに異なる税金対策をみていきましょう。

会社や事業を売却する際のポイント

保有している資産を売却し利益を得れば、税金が課せられます。この仕組みはM&Aでも同じですが、手法ごとに課税される税金が異なる点に注意しましょう。税金の仕組みを理解することで、M&Aの利益をより多く手元に残せます。

税金の仕組みを理解しておこう

M&Aの利益は、中小企業であっても大きな金額になる傾向があります。そのため税金の仕組みを意識しないままM&Aの手法を決めると、思いもよらぬ高額の納税が必要になり、せっかくの利益が大きく減少しかねません。

 

そこで最適な手法を選べるよう、それぞれの特徴や課税される税金について押さえておきましょう。売り手が負担する税金はもちろん、買い手が支払う税金にも関わります。双方ともに税金の負担を減らせる手法もあるため、確認の上、手法を選びましょう。

株式譲渡でかかる税金

会社を丸ごと買い手に承継する株式譲渡では、譲渡利益に対して所得税・住民税・復興特別所得税が課されます。株式譲渡の基本的な知識と合わせ、課される税金の種類や仕組みを見ていきましょう。

株式譲渡とは

売り手の株式を買い手に譲渡し対価を受け取るM&A手法を『株式譲渡』といいます。株式譲渡は会社を丸ごと買い手に譲り渡す手法です。

 

不動産・設備・在庫・技術・従業員・取引先・許認可などはもちろん、負債も含め会社の持っているものを全て買い手が引き継ぎます。株主や経営者は交代するケースが一般的ですが、会社そのものは存続する手法です。

 

譲渡価格は、上場企業であれば市場の株価を参考に計算できます。非上場会社ではそれができないため、類似の上場企業を参考にした計算や、資産から負債を差し引き将来の収益を考慮した計算により、企業価値評価を実施します。比較的手続きがシンプルなため、中小企業のM&Aでよく実施される手法です。

株式譲渡所得に対し所得税等が課税される

株式譲渡を実施すると、売り手は買い手から対価を受け取ります。対価から株式取得にかかった費用とM&Aの費用を差し引いた『譲渡所得』に対し、税金が課される仕組みです。

 

売り手の株主が法人の場合、規模や利益によって異なりますが約30%の法人税がかかります。株主がオーナー社長といった個人であれば、課されるのは所得税・住民税・復興特別所得税を合わせ約20%です。株式譲渡所得は『申告分離課税』で納税します。そのため事業所得・給与所得・不動産所得など、他の所得とは分け、個別に納税額を計算しなければいけません。

 

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    本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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