ビジネスSNS「LinkedIn」の活用
日本では限定的な層にしか使われていませんが、今後は新しいSNSとして広がっていく可能性があるのが「LinkedIn(リンクトイン)」です。
ビジネスシーンに特化したアメリカ生まれのSNSで、企業向けの採用機能も有しています。全世界6億人以上のユーザーがいて、日本でも現在は約200万人が利用しています。アメリカでは、就活をしている人はLinkedInに絶対登録しています。
LinkedInが興味深いのは自身の職務経歴を記載する欄があり、しかもそれが公開されているため、例えばGoogleで働いた経験がないのに経歴に記載してあれば、他人から「この人はウソをついていますよ」という指摘が入るのです。あるいは、仕事ぶりに関しても「こんな仕事はしていなかった」と書かれることもあります。
「こんなのは監視社会だ」と言われてしまいそうですが、この効果もあって、アメリカでは転職ができる人は「能力のある人」だと見なされます。逆に、転職ができない人は「他に行くところがない人」だと思われてしまうのです。
日本では転職すると給料が下がり、海外では転職すると給料が上がる風潮がありますが、LinkedInの活用が今以上に広がっていけば、日本の転職事情も変化するのではないかと思っています。
アメリカでは85%の企業が導入…リファラル採用
海外でもうひとつ活発なのが「リファラル採用」です。アメリカでは85%の企業がリファラル採用を導入しているというデータもあり、日本でも数年前から広がっていますが、これも今後、さらに広がっていくと予想されます。
リファラル採用とは、社員から友人や知人を紹介してもらって人材を採用する方法ですが、いわゆる「コネ採用」「縁故採用」とは違います。紹介された人でも通常の選考プロセスを受けることになります。
ただ、その企業のことをよく知る人物からの紹介なので、人材のマッチング精度が一般の応募よりもはるかに高くなります。採用後も紹介者が社内にいるため、離職率が低いことも特徴です。
さらに、リファラル採用は新卒採用でも有効で、例えば大学のゼミやサークル、部活や学生団体の先輩・後輩、浪人生や留年生、留学で卒業時期がズレた同級生、加えて就活中に他社で出会った就活仲間にもアプローチが可能です。リファラル採用による新卒採用では、内定辞退率が低くなる傾向もあります。
近藤 悦康
株式会社Legaseed
代表取締役CEO
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