(※写真はイメージです/PIXTA)

いまの時代、終身雇用は当たり前ではなくなりました。転職前提で入社する新卒社員が増えるなか、企業として取り組むべきことはたった1つと、600社の企業に新卒採用などの組織変革コンサルティングを実施する株式会社Legaseedの近藤悦康代表はいいます。みていきましょう。

採用を「本質的で実践的なプロセス」に変える必要性

日本の採用が世界標準に変化していくであろう未来を見据えるとき、企業は「採用活動」そのものをどのように考えていかなければいけないのでしょうか?

※(参考)前回記事:求職者の「SNS」までチェック…海外企業で「当たり前」に使われる“驚きの採用基準”

 

私は過去の本で「新卒採用活動とは、世界を変える活動だ」と書いたことがあります。

 

これは、ある学生からオープンカンパニーで「日本の学校教育を良くするために、近藤さんなら何をしますか?」と問われたときに実感したことです。ちなみに、このとき私は「教師の採用試験を変える」と答えました。

 

教師の採用試験を今よりももっと本質的で実践的なものに変えられれば、教師を目指す人たちの意識や取り組み方が変わり、その結果、教師の卵を育てる大学教育をはじめとした教育制度や教育機関、教育カリキュラムも変わらざるを得なくなります。

 

同じように、新卒採用も今より本質的で実践的なものに変えられれば、学生たちの大学時代の過ごし方が変わり、大学側の教育制度やカリキュラム、キャリアセンターも含めた“あり方”も変わるはずです。

 

新卒採用は学生にとっての「学生からの出口」であり、同時に「社会人への入り口」でもあります。「出入り口」である新卒採用活動を本質的なプロセスに変えることで、より良い人材が入社することになり、それが既存社員の意識や行動を変えます。

 

その結果、企業が社会に提供できる新商品や新サービスが誕生し、その企業の成長や社会への関わり方や影響力にも変化が起きます。そしていつか、世の中が変わります。ですから「新卒採用活動とは、世界を変える活動だ」と言うことができるのです。

 

「日本でどううまくやるか」から「世界の人材をどう調達するか」へ

採用活動を行う企業として必要となるのは、その使命感を持つことです。これからは日本だけではなく世界から人を採用する時代になります。特に、世界で戦う企業を目指すのであれば、グローバル人材は必須でしょう。

 

しかし、日本は世界人口約78億人の中の、たった約1億2000万人に過ぎません。日本の採用の常識は、世界の採用の常識のほんの1~2%に過ぎないのです。この認識を持った上で「日本でどう採用をうまくやるか」から、「世界の人材をどう調達するか」の視点になる必要があります。

 

世界中の人が「ここで働きたい」と思える企業をどうつくっていくかが、今後のグローバル事業や世界で勝てる日本企業をつくるために、経営者に必要な思考法なのです。

 

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※本記事は、近藤悦康氏の著書『99%の会社が知らない「超・デジタル採用術」 オンラインでも応募者の心は「見える化」できる!』(徳間書店、2022年1月29日刊)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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近藤 悦康

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