世界3位のアパレルブランド「ユニクロ」…地方の零細企業が「年間売上2兆円」の大企業に成長した理由

世界3位のアパレルブランド「ユニクロ」…地方の零細企業が「年間売上2兆円」の大企業に成長した理由
※画像はイメージです/PIXTA

ユニクロの親会社であるファーストリテイリングも、40年前は地方の小さな企業に過ぎませんでしたが、いまや年間2兆円を売り上げる世界的な大企業へと成長しました。本記事では「ユニクロ」創業者、柳井正氏の組織マネジメントの観点から成長の理由をみていきます。

収支が悪いと即切り捨て、ヒットしたらさらに改善

「失敗を生かすも殺すも経営姿勢しだいである。失敗には次の成功に繋がる成功の芽が潜んでいるものだ。実行しながら考えて修正していけばいい。分析ばかりしてグズグズしているよりいい」

 

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

 

日本を代表するアパレルブランドの「ユニクロ」創業者、柳井正氏は経営と組織マネジメントのバランス感覚が非常に優れている人物です。

 

ユニクロ1号店が開店した1984年から、初のヒット商品ともいえる1,900円のフリースが発売された1998年までの約14年間、出店と閉店を繰り返し、収支が悪いものはどんどん切り捨てるというような「選択と集中」に取り組んできましたこれは、現代の経営では当たり前の考え方ですが、かつてはそこまで一般的ではなかったのです。

 

しかし、柳井氏は当初から1店舗あたりの標準損益を設定。商品の失敗を直視し、その原因を研究して改善するという仕組みを当たり前のように行っていました

 

それがフリースという大ヒット商品に繋がったのです。そして、そのヒット商品のフリースですら改善の対象であったことはいうまでもありません。

 

「失敗を失敗と認めるのは、自分の行動結果を客観的に分析、評価することができないと難しい」

 

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

 

フリースは、ヒット商品だからこそより多くの消費者からさまざまな要望が寄せられました。 フリースのヒットに満足して消費者の声を客観的に捉える分析ができなかったならば、ユニクロは一発屋で終わっていたかもしれないのです。

 

「1勝9敗でいいが再起不能の失敗をしない。キャッシュが尽きればすべてが終わり」

 

※参考文献:柳井正『一勝九敗』(新潮社 2003年)

 

会社組織という単位において、改善というチャレンジは無限にできるわけではありません。改善を考えているあいだも、家賃や人件費は増えていきますので、柳井氏がこの改善活動におけるスピード感を重要視している点も、ユニクロの成長を支える思考の1つです。

 

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