受け取ることのない保険金のために、保険料を払い続ける。基本的には損をするのに、宝くじを購入する…。私たちが時折「経済的には損をするのに、なぜやった?」という非合理的な行動をとってしまうのは、どうしてでしょうか。太宰北斗氏の著書『行動経済学ってそういうことだったのか! -世界一やさしい「使える経済学」5つの授業-』(ワニブックス)より一部を抜粋し、そのヒントとなる「行動経済学の代表的なアイデア」を紹介します。
「“損を避けた”はずなのに損をする」はよくある話
みなさんの脳の処理の特徴と、その限界についていろいろと試してみましたが、無事に選択・判断できましたか?
おそらく最後の質問でAやDに飛びついたのは「“損失”を避けたかったから」ですよね。これにはサルたちの実験(前稿)でお伝えした「損失回避」という特性が深く関わっています。
「損を避けたはずなのに損をする」
なんだか不思議ですが、世の中には数限りなくこうした話があるようです。
太宰 北斗
名古屋商科大学 商学部 准教授
慶應義塾大学卒業後、消費財メーカー勤務を経て、一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了。一橋大学大学院商学研究科特任講師を経て現職。専門は行動ファイナンス、コーポレートガバナンス。
第3回アサヒビール最優秀論文賞受賞。論文「競馬とプロスペクト理論:微小確率の過大評価の実証分析」により行動経済学会より表彰を受ける。
競馬や宝くじ、スポーツなど身近なトピックを交えたり、行動経済学で使われる実験を利用した投資ゲームなどを行ない、多くの学生が関心を持って取り組めるように心がけた授業を行う。
名古屋商科大学 商学部 准教授
慶應義塾大学卒業後、消費財メーカー勤務を経て、一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了。一橋大学大学院商学研究科特任講師を経て現職。専門は行動ファイナンス、コーポレートガバナンス。
第3回アサヒビール最優秀論文賞受賞。論文「競馬とプロスペクト理論:微小確率の過大評価の実証分析」により行動経済学会より表彰を受ける。
競馬や宝くじ、スポーツなど身近なトピックを交えたり、行動経済学で使われる実験を利用した投資ゲームなどを行ない、多くの学生が関心を持って取り組めるように心がけた授業を行う。
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