(※写真はイメージです/PIXTA)

投資経験がない方のなかには「不動産投資は不安」と考えるケースが多くみられます。そう思う主な要因は3つあります。1つ目は、投資した金額(元本)が減る可能性があること。2つ目は、物件購入のための借金を抱えること。3つ目は、入居者や不動産会社とトラブルになる可能性があること、です。しかし、この3つの不安は本当でしょうか。現物の不動産投資を例に、これらの不安をもう少し掘り下げてみることにしましょう。

お金が減る不安と生活レベルが下がる不安

まずは不動産投資の不安を生む1つ目の要因、元本が減る可能性について考えてみます。

 

不動産投資は元本保証の投資ではありません。1,000万円で購入した物件が800万円に値下がりしたり、家賃相場が下がったり、空室が続いて収入が得られなくなったり、元本を回収できなくなるかもしれない要因は常にあります。その点では安全とはいえませんから、「元本を1円も減らしたくない」と考える人には不向きな投資といえるでしょう。

 

その視点で考えると、安全なのは預金と債券です。普通預金や定期預金は原則として元本割れしません。債券も、国が発行している個人向け国債のような商品は3年や5年といった満期まで持ち続ければ基本的には投資したお金が戻ってきます。

 

ただし、元本割れリスクが小さい商品はリターンも小さくなります。このことは銀行預金が、超がつくほどの低金利であることからもわかります。

 

手元のお金をうまく運用するという点から考えると、お金が減らないことは大事ですが、お金が増えないという点も実は問題です。その問題が深刻化するのは、物価が上がったとき、つまり、物の価格が上がりお金の価値が下がるインフレーション(インフレ)の状態になったときです。

 

日本は過去30年くらいにわたって物の価格が下がり、お金の価値が上がるデフレーション(デフレ)が続きました。デフレの時は給料も増えず、預金や債券の金利も上がりませんが、物価が安いため豊かに暮らすことができます。

 

しかし、長期でデフレが続いている国は先進国では日本だけですから、今後は他の国のように物価が上がっていく可能性は十分に考えられます。そうなった場合、例えば、家賃が上がれば狭いところに引っ越すことになり、食品や衣類が値上がりすれば買えるものの量と質を下げなければなりません。給料の金額が変わらず、今までと同じ金額しか支出できなかった場合、インフレによって生活水準は下がるということです。

 

とくに直近ではコロナ禍の影響やロシアによる軍事侵攻で資源の調達や流通が滞るようになり、その結果として日本を含む世界各国で物価が急速に上がり始めています。

 

そう考えると、不動産投資についての見方も変わってくるのではないでしょうか。不動産投資には元本割れリスクがあります。しかし、元本割れしない預金や債券も、インフレになれば生活水準が下がる要因となり、その点では決して安全な運用とはいえません。これから物価が上がっていくと考えるなら、むしろ、元本割れリスクをとってでも、不動産のような投資を活用して収入を増やしていくことが求められるのです。

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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