(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産クラウドファンディングは、少額でも不動産投資ができる方法として注目されています。しかし、比較的新しい投資方法なので「他の不動産投資と比べて利益が出るのか?」「利回りはどれくらいなのか?」と気になる方も多いでしょう。結論から言うと、不動産クラウドファンディングの利回りは約5%です。これは、同じ少額不動産投資であるREITや不動産小口化商品と比べても、やや高いと言えます。本記事では、それぞれの利回りや特徴の比較と、不動産クラウドファンディングを選ぶポイントを解説します。

少額不動産投資の利回りと特徴を比較

少額不動産投資は大きく分けて次の3つがあります。

 

●不動産クラウドファンディング

●J-REIT

●不動産小口化商品

 

概要だけ簡単に解説すると、不動産クラウドファンディングはクラウドファンディングによって調達した資金を元手に不動産を購入する投資方法。J-REITは日本の金融商品取引所に上場している不動産の投資信託。不動産小口化商品は不動産を小口化して数万円から販売する商品です。

 

それぞれの特徴を簡単にまとめると、【図表】のようになります。

 

【図表】少額不動産投資の種類

 

各項目ごとに比較していくので、どの投資方法が自分に合っているか総合的に判断しましょう。

 

■利回り

不動産クラウドファンディングの平均利回りは約5%です。ただし商品によって利回りは大きく異なり、10%を超える商品も存在します。

 

J-REITの平均利回りは約4%です。不動産証券化協会の資料によると、ここ10年間の利回りは3%~5.5%ほど。株式のように自由に売買できるので、日々利回りは変動します。

 

不動産小口化商品の利回りは約3~4%です。ただ、こちらも商品によって利回りは異なるので、商品ごとによく確認しましょう。

 

■投資に必要な金額

不動産クラウドファンディングは1口1万円から投資できますが、最近は1口10万円からの商品も増えてきました。商品概要の最低出資額の欄に記載してあるので、商品ごとに比較してみましょう。

 

J-REITは銘柄によって最低購入金額が異なり、数万円から数十万円の銘柄まであります。また、株式のように容易に売買できるため価格は変動しやすいです。

 

不動産小口化商品は100万円以上の予算が必要になる商品も多く、ある程度まとまった資金がある方向けの投資方法と言えます。

 

■物件を選べるか

不動産クラウドファンディングと不動産小口化商品は、1件の不動産に対して投資を行います。不動産投資の基本である「該当物件が収益を生み出すか否か」が投資先を選ぶ判断基準になるでしょう。

 

一方、J-REITはプロの手によって分散投資されるため、物件を選べません。リスク分散できるというメリットはありますが、「自分の基準で物件を選びたい」という方は不動産クラウドファンディングと不動産小口化商品の方が向いているでしょう。

 

■換金のタイミング

不動産クラウドファンディングは運用期間が決まっており、数ヵ月から2〜3年程度が一般的です。

 

J-REITは株式と同様に市場が開いている時間帯、かつ買い手と売り手で価格が合えば、いつでも換金が可能です。ただし市場状況によっては、元本割れや値下がりのリスクがあるので注意が必要です。

 

不動産小口化商品は、不動産クラウドファンディングと同様に運用期間が決まっています。短期向けのもので3~5年、長期向けのものでは10年や30年になることもあります。投資がある程度長期になることから、不動産小口化商品で選定されている物件は比較的価格が落ちにくい優良物件と判断された不動産です。しかし運用期間が長いほど、将来の予測が難しくなるため投資の難易度は高くなるでしょう。

 

投資初心者には、比較的少額で短期投資が可能な不動産クラウドファンディングがおすすめです。

不動産クラウドファンディングを選ぶ3つの基準

不動産クラウドファンディングは、投資先の選定が重要です。投資先を選ぶポイントは様々ですが、特に以下の3点をチェックしましょう。

 

●信頼性

●募集金額

●優先劣後出資の割合

 

それぞれ解説していきます。

 

■信頼性

不動産クラウドファンディングは以下の項目を確認して、物件と運営会社の信頼性を確認しましょう。

 

●物件の所在地

●築年数などの細かい情報

●施工会社や運営会社

●運営会社のIR情報

●物件の収支シミュレーション

 

前述したように、不動産クラウドファンディングは1つの物件に投資します。そのため物件の良し悪しによって投資の成功は左右されるので、上記の項目をよく確認した上で商品を選定しましょう。

 

■募集金額

人気がある不動産クラウドファンディングは、すぐに枠が埋まってしまうこともあり、場合によっては抽選が行われます。募集金額が大きい案件の方が投資できる可能性が高まるため、投資先を選ぶときは募集金額の大小もチェックしておきましょう。言い換えると、募集金額の小さい商品は早めに投資する必要があるということです。

 

■優先劣後出資の割合

不動産クラウドファンディングは利益が出れば投資家に還元されますが、損失が出た場合は出資金からまかなう必要があります。そのため優先劣後出資の割合は重要です。

 

優先劣後出資とは、損失が出た場合に投資家のリスクを低減するための仕組みのこと。結論だけ言うと、優先劣後出資の割合が高いほど投資家の損失は小さくなります。目安としては劣後出資の割合が30%前後が理想。10%以下はリスクが少々高いと言えるでしょう。

まとめ

不動産クラウドファンディングは、少額から手軽に不動産投資ができるため、初心者にもおすすめの投資方法です。ただし当然ながらリスクもあるため、投資先を選ぶ際は物件の収益性と運営会社をよく確認しましょう。

 

まずは本記事の情報を参考に、自分が参加できそうな案件をチェックするところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

執筆:浅井のぞみ

SEOライター・編集者

メーカーで海外市場のマーケティング・営業を5年半担当。独立後はSEOライターとして主にBtoB系の記事を手掛けている。記事制作プロジェクトのディレクターとして、チームの取りまとめやライターへの指導、企業オウンドメディアの分析・改善も行う。月間に執筆・編集する記事は約100本。

3級ファイナンシャル・プランニング技能士 / TOEIC930点

 

 

監修:中村 昌弘

Webライター・編集者

株式会社なかむら編集室 代表取締役

1985年生まれ埼玉県出身。立教大学を卒業後、マンションディベロッパーへ入社。その後は人事コンサル系の会社へ転職し、2016年2月に独立。独立と同時にWebライターをはじめる。SEOライティング × セールスライティング × 書籍編集 × サロン(Webライターラボ)運営など、幅広く活動中。

 

 

 

 

 

※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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