(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産クラウドファンディングは、気軽に始められる投資として注目を集めています。比較的リスクを抑えられる投資手法であることから、「副業として始めてみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、副業で不動産クラウドファンディングを始めようと考えている方のために、メリットや勤務先での取り扱いについて解説します。

不動産クラウドファンディングを副業にする人が増えている背景は?

不動産クラウドファンディングが副業として人気となっている理由は、案件によっては少ない資金で気軽に投資が始められるからです。近年は「働き方改革」や「老後資金の不安」などの要因により、副業を始める方が増えています。

 

マンションやアパートといった現物の収益用物件を購入・運用する従来型の不動産投資は、副業として根強い人気がありますが、物件を購入するには多額の資金が必要です。一方で不動産クラウドファンディングは、複数の投資家からインターネット上で資金を集めて物件を運用します。そのため少額から始められます。

 

資金の少ない副業初心者でも気軽に始められることから、新しい投資手法として注目されています。

不動産クラウドファンディングを副業にするメリットは?

これから副業を始めようとしている方には、多額の資金とノウハウが必要な不動産投資はハードルが高いでしょう。一方で不動産クラウドファンディングは、以下の2つのメリットがあることから、初心者でも始めやすい投資手法と言えます。

 

【①少額から始められる】

不動産クラウドファンディングは、一口1万円から投資できる案件があります。副業で不動産投資を始める方にとって、少ない金額から始められる点は大きなメリットです。

 

現物の不動産投資は物件を「購入」する必要があるため、ローンを組むとしても数百万円ほどのまとまった資金が必要になるでしょう。副業で投資を検討している方にはハードルが高いと言えます。

 

一方、不動産クラウドファンディングであれば、大勢の投資家が資金を出し合う形式のため、1人あたりの負担は少なくて済みます。現物不動産を購入できるほどのまとまった資金が用意できない方や、少額から投資を始めたい方に不動産クラウドファンディングはおすすめです。

 

【②管理に手間がかからない】

不動産クラウドファンディングは、事業者が物件の購入から管理まで行ってくれるため、手間がかかりません。本業が忙しくてなかなか時間が取れない方でも気軽に始めやすいことが特徴です。

 

一般的な不動産投資の場合は、自身で物件を管理する必要があります。建物の修繕や居室のクリーニングなども、自ら手配しなければなりません。管理会社に委託することも可能ですが、別途費用がかかります。

 

一方で不動産クラウドファンディングなら、ほとんどの手続きがインターネット上で完結します。

不動産クラウドファンディングを副業にするデメリットは?

不動産クラウドファンディングを副業で行うデメリットは、現物の不動産投資のように「レバレッジがかけられない」ため、現物の不動産投資ほど大きく稼ぐのが難しい点です。

 

「レバレッジをかける」とは、少ない投資金額で大きなリターンを得ることです。

 

現物の不動産投資は、多くの場合、ローンを組んで物件を購入します。ある程度まとまった額の自己資金が必要になるとはいえ、数千万円もの金額を借り入れることにより、自己資金の何倍もの金額で資産運用できます。

 

一方、不動産クラウドファンディングは銀行でローンを組めないため、自身で用意できる金額の範囲内で投資を行うことになります。副業で始める場合は少額から始めて、徐々に投資額を増やしていくといいでしょう。

公務員・会社員における副業の取り扱い

副業を始める際、「勤務先の規定に抵触しないか」が気になる方が多いと思います。本項では、不動産クラウドファンディングが副業としてどのように扱われるのか、「公務員の場合」と「会社員の場合」それぞれのケースで解説します。

 

<公務員の場合>

公務員の副業は「国家公務員法」と「地方公務員法」という2つの法律で禁止されています。そのため、原則として公務員が副業を行うこと自体が法律違反です。

 

しかし、公務員でも副業が認められるケースがあります。公務員の副業を禁止する根拠となる2つの法律に記載されている、以下の原則に抵触しないケースです。

 

●信用失墜行為の禁止

●守秘義務

●職務専念の義務

 

たとえば、自身の資産形成を目的とした株式投資などは副業扱いにはなりません。同様に、お金を投資するだけで物件を所有しない「匿名組合型」の不動産クラウドファンディングであれば、法律違反になることはないでしょう。

 

一方で、物件を所有する「任意組合型」の場合は、副業禁止の規定に抵触する可能性が高いため注意が必要です。

 

<会社員の場合>

会社員の場合は、勤務先の就業規則によって副業の取り扱いが異なります。禁止されている会社で副業を行えば、就業規則により処分を受けるリスクがあります。

 

とはいえ、不動産投資を含めた資産運用を禁止しているケースはほとんどありません。そのため、不動産クラウドファンディングが就業規則に抵触する可能性は低いでしょう。

 

しかし、不動産を事業として行っていると見なされれば「就業規則に違反している」と判断されることがあります。不動産クラウドファンディングを始める際は、勤務先の規定をよく確認することをおすすめします。

まとめ

不動産クラウドファンディングは、案件によっては少額から始めることができ、現物の不動産投資に比べて手間もかかりません。そのため副業初心者から人気を集めています。特に、物件を所有しない「匿名組合型」の不動産クラウドファンディングは、法律で副業が禁止されている公務員にもおすすめの手法です。

 

一方で、不動産クラウドファンディングは一般的な不動産投資と違ってローンが組めません。自己資金の範囲でしか投資ができないことは、理解しておく必要があります。

 

リスクを抑えられる手法で投資を始めてみたい方は、不動産クラウドファンディングを検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

執筆:西山 雄介

Webライター・ディレクター

大学卒業後、マンションディベロッパーに勤務し営業職を担当。現在は企業でのマネジメント経験を活かして、フリーランスディレクターとして活動中。豊富な社会人経験が強みであり、特にコンプライアンスを重視する企業メディアで高い評価を得ている。得意分野は不動産・法律・シニア向け記事など。

宅地建物取引士・マンション管理士・日商簿記2級などの資格保有。

 

 

監修:中村 昌弘

Webライター・編集者

株式会社なかむら編集室 代表取締役

1985年生まれ埼玉県出身。立教大学を卒業後、マンションディベロッパーへ入社。その後は人事コンサル系の会社へ転職し、2016年2月に独立。独立と同時にWebライターをはじめる。SEOライティング × セールスライティング × 書籍編集 × サロン(Webライターラボ)運営など、幅広く活動中。

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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