社長がやりがちな5つの誤った行動
「社員が指示した内容とは違う動きをしている」
「常に社員のことを思っているが、社員が思うように育ってくれない」
「社員も頑張っていると思うが、自分の望む方向に会社が進んでいない」
それぞれの事象には異なる原因がありそうに思えますが、実はすべて社長のマネジメントに原因があります。社員に対してよかれと思ってやっていることが実は社員のパフォーマンスを落とし、会社の業績を下げてしまっているのです。今回は、社長がやってしまいがちな5つの誤った行動をご紹介します。
1.社員と同じ目線を持つ
「社長はいつまでも現場目線を持つべき。そのためには現場に出向き、社員の意見を率先して聞く必要がある」
一見正しいことのように聞こえるかもしれませんが、これは誤りです。社長は現場ではなく市場に目を向け、会社をよりよい方向へ導かなければいけません。
「だからこそ、もっとも市場の近くで活動している現場の社員に話を聞くべきではないか」と思いがちですが、これも間違いです。
社員は会社の一部として市場にアクセスしているに過ぎず、どのようにアクセスするかは会社が与える業務で規定されています。そのような立ち位置の社員は市場全体を見る視点を持っていませんので、社員の意見をそのまま聞き入れることは避けるべきなのです。
社長が現場の社員と同じような目線を持ち、市場全体を見渡せなくなると、会社が進むべき方向を見誤ることになってしまいます。そうならないためには、管理職を通じて社員から情報を報告させ、社長はその情報をもとに常に市場全体を見渡せるポジションにいる必要があるのです。
2.社員の失敗を慰め、原因を一緒に考える
社員の失敗を慰めたり原因を一緒に考えたりしていませんか? これも社員思いの社長のようにみえるかもしれませんが、実は逆で、社員のことを本当に考えていない社長ほどやってしまいがちなミスです。
仕事で失敗し、落ち込んでいる暇があるなら挽回のためのアイデアを考える時間を確保したほうがよいですよね。それなのに、社長が社員の失敗を慰めることは、失敗の意識を薄れさせ、挽回のためのアイデアを考える邪魔をすることになるのです。
原因を一緒に考えることもいけません。挽回のアイデアを考えるには自分に落ち度がなかったかという失敗の原因分析をしっかり行うべきです。経験量の多い社長が一緒に原因を考えると、おそらく社長から多くのアイデアが出ることになり、結果的に部下が自ら考え行動する経験を奪うことにつながります。
社員に成長する機会を失わせないためにも社長は社員の失敗には付き合わないのが正解です。失敗した際は、励ましたりアイデアや答えを与えたりするのではなく、社員自らが原因分析し、挽回のアイデアを考えなければいけない環境を用意することこそが社長の仕事です。