※画像はイメージです/PIXTA

会社を支える貴重な人材である社員。社長が社員を思ってやっていることのなかには、かえって社員のパフォーマンスを下げてしまう行動があるといいます。どのような行動でしょうか、みていきます。

 

3.社員に納得するまで説明する

社員に対し、仕事の意味や必要となる理由を延々と説明していませんか。「社員が仕事に納得してくれず、取り組もうとしない」などという悩みを抱えていませんか。もちろん仕事内容を伝えることは重要ですが、腹落ち、納得するまで説明する必要はありません。

 

なぜなら社長と現場社員では獲得している知識や経験の性質や量が異なるので、社長の理屈を社員が理解できることは少ないからです。人は経験していないことは本質的に理解できないので、未経験の事柄を腹落ち納得させることは難しいでしょう。そうならないためにも、いち早く経験させて、「なるほど、そういうことか」と本人自らに気付いてもらい理解してもらうほうが正しい考え方です。

 

納得してから仕事をする習慣が付くと、納得しなければやらなくてもよいと勘違いを引き起こすことにもなり、初動までに時間がかかり、結果を出すうえで逆効果になります。ある程度説明したあとは、社員に行動することを求めてください。

 

4.ストレスを与えることを避ける

成長とは、できなかったことができるようになることであり、そのためにはストレスが必要になります。ストレスを避けていると、なにごともいま以上にできるようにはなりません。たとえば、ランニングでもいまよりも長い距離を走れるようになるまでには負荷を感じながら走る時期が必要です。そして、その負荷を感じなくなったときこそ長い距離を走る体力が身に付いた(成長できた)瞬間になります。

 

ルールの不備や人間関係、コミュニケーション上のストレスなど、排除しなければいけないストレスはありますが、そのようなストレスと区別し、成長のための負荷としてのストレスはしっかり社員に与えなければいけません。

 

5.社員の多様性を優先する

人はそれぞれ別々の価値観や考え方を持っています。その価値観を誰も否定することはできませんが、社員の多様性を優先することは組織内では誤った行動になるときがあります。

 

個人と同様に、組織にも固有の考え方があります。会社にはもともと存続する目的があり、その目的達成ための一員として社員自らの考えで入社した以上、組織活動に参加しているあいだは、個人は組織の目的達成の方向性に合わせなければいけません。

 

なぜなら、会社は集団であり、1つの集団のなかで複数の価値観を同時に優先させることは不可能だからです。組織活動中も個人の価値観を優先させることは会社の価値観を意識しにくくさせ、それぞれが利己的な行動をすることになり、結果的に組織の成果は最大化しません。

 

そのようにならないためにも、社員には組織の価値観を理解してもらい、会社から与えられた役割や目的達成の方向性の枠内で、自分の価値観や考え方を生かすという意識を持たせることが重要です。

まとめ

社長が社員を思いよかれと思いやっている行動のなかで、社員のパフォーマンスを下げる誤った5つ行動を紹介しました。反対に社員が正しく行動するための社長の正しい行動は以下の5つです。

 

・ 社長の目線をキープする

・ 社員の失敗には付き合わない

・ 社員にはまず行動をさせる

・ 社員には成長のための負荷を与える

・ 社員には組織の価値観を理解してもらう

 

これらの正しい行動をする社長は一見すると、社員にとって厳しい社長に感じるかもしれません。一方で、誤った行動をする社長は、現時点では、社員思いの優しい社長に映るかもしれません。しかし、長期的にみると、誤った行動をする社長の下で働いた社員は成長できず、正しい行動をする社長の下で働いた社員は成長します。社員の将来の成長につながる行動ができる人が、本当の意味で社員思いの社長といえます。

 

 

乾 一文

株式会社識学

大阪営業部 大阪2課 係長/シニアコンサルタント

 

本記事は株式会社識学の識学総研のブログ・コラムを転載したものです。

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