(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの経営者は、DX推進にあたり、まずデジタル化の目標や効果を示す「ロードマップ」(計画書)を綿密に作成しようとします。しかし、ロードマップにこだわりすぎると、かえって社内のデジタル化の進行を妨げてしまうかもしれません。なぜなのでしょうか。不動産販売事業を経営する筆者・中西聖氏が自社で進めたDXプロジェクトの経験をもとに解説します。

 

デジタル化の第1歩目ではまった「落とし穴」

振り返ってみると、この時すでに僕は落とし穴にはまっていた。実際にはまだはまってはいなかったが、社内業務のデジタル化に向けて踏み出した一歩目は、一つ目の落とし穴に向かっていたのだ。当時の僕は明確で詳細なロードマップが必要だと思い込んでいた。もちろんロードマップは必要だが、その役割はプロジェクトの方向性を示すことであり、詳細な地図である必要はない。

 

僕はそこを勘違いしていた。どの部門の、どんな業務を、どんなふうにデジタル化するか細かく決めることが重要なのだと思い、詳細な計画を作ってから具体的な取り組みに移すことが絶対条件だと思ってしまったのだ。

 

それが落とし穴の正体だった。僕はロードマップの精度にこだわり過ぎてしまった。結果として計画の作成に時間が掛かり、なかなか実行に移せない足踏み状態に陥り、社内業務のデジタル化を大幅に遅らせることになるのだ。

 

〈DXの落とし穴〉

 DXに取り組む初期においてはDXリテラシーの高くない、いわゆる専門性、経験の少ないメンバー同士で具体性の強いロードマップの作成をしたところで時間が掛かるし精度も低い

 

 

中西 聖

プロパティエージェント株式会社

代表

 

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※本連載は、中西聖氏の書籍『DX戦記 ゼロから挑んだ デジタル経営改革ストーリー』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

DX戦記 ゼロから挑んだデジタル経営改革ストーリー

DX戦記 ゼロから挑んだデジタル経営改革ストーリー

中西 聖

幻冬舎メディアコンサルティング

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