(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの経営者は、DX推進にあたり、まずデジタル化の目標や効果を示す「ロードマップ」(計画書)を綿密に作成しようとします。しかし、ロードマップにこだわりすぎると、かえって社内のデジタル化の進行を妨げてしまうかもしれません。なぜなのでしょうか。不動産販売事業を経営する筆者・中西聖氏が自社で進めたDXプロジェクトの経験をもとに解説します。

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「完璧なロードマップ」という幻影

会社を立ち上げて以来ずっと考えていた競争優位性と、目の前の課題として存在している社内業務のデジタル化が頭の中で結びつき、そのことに希望を抱かずにはいられなかった。

 

その構想を幹部社員たちに伝えたのは2018年の年の瀬が迫った頃だった。毎月定例の経営会議で僕は幹部社員に向けて、社内業務のデジタル化によって働き方が変革できること、経営体質を改善できること、会社そのもののあり方や価値を変えられることなどを伝えた。加えてオペレーショナルエクセレンスの核になることも伝え、書類ありきの業務からの脱却に取り組んでみないか、と幹部社員たちに問いかけたのだった。

 

競争優位性、いわゆるオペレーショナルエクセレンスの実現については、そのための施策の立案なども含めて幹部社員とよく議論してきた。そのこともあって、僕の問いかけにも幹部社員たちはすんなりと納得してくれたようだった。

 

特に興味を示したのが、資金調達の業務全般を見ている取締役のイワサキだった。僕たちの仕事はマンション建設に多額の資金が必要となるため、銀行など金融機関との折衝が事業の生命線だ。

 

今でこそどの銀行とも良好な関係を築けていると思っているが、やはりリーマンショックの記憶はいまだに深く残っている。不況になれば銀行は貸し渋る。業績が下がれば対応は一変するだろう。彼はそのリスクを見る立場であるため、ほかの幹部社員よりも僕が提示した変革のアイデアに興味をもったようだった。

 

いつだったか、不動産業界の現状について「マーケットがうわついている」と指摘したのもイワサキだった。日米の長期金利動向や物件価格の相場を見てそう思ったのか、あるいは銀行の担当者の反応から感じ取ったのかは分からないが、「うわついている」という表現は妙にしっくりときた。その言葉を聞いて僕たち自身も今の業績と状況を楽観視し、うわついているかもしれないと思った。

 

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    ※本連載は、中西聖氏の書籍『DX戦記 ゼロから挑んだ デジタル経営改革ストーリー』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

    DX戦記 ゼロから挑んだデジタル経営改革ストーリー

    DX戦記 ゼロから挑んだデジタル経営改革ストーリー

    中西 聖

    幻冬舎メディアコンサルティング

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